U7OXCT3DYE3PEHM_1アジア最大級の家電・IT見本市「CEATEC」が、10月18日から4日間の日程で千葉市の幕張メッセで開催される。新型コロナウイルスの感染拡大で過去2年はオンラインでの実施となっており、リアル開催は3年ぶりとなる。ただ、関西企業の反応は鈍く、企業の担当者からは「出展にかかる労力が大きく、そこまで人手を割けない」との本音も漏れる。

 以前のCEATECは約900の企業・団体が出展し、期間中の来場者数は20万人を超えていた。特に家電メーカーは次世代テレビのデモ機を参考出展するなど、CEATECを主力製品のPRの場にしていた。

 しかし、10年ほど前から消費者をターゲットにした家電などの展示は減少傾向で、パナソニックホールディングスは2019年以降、本体としての出展を取りやめている。同社は「各事業会社の判断に任せている」とするが、22年は単独のブース出展はない。「卓球ロボット」を毎年展示して話題を集めていたオムロンも出展は17年が最後だ。






コロナ禍を境に方針が変化した企業もある。電子部品大手のロームは「現在は展示会などでの宣伝は海外に重点をおいている」とし、22年のCEATECはオンラインと一部の合同出展に限定する。最新技術のデモ機の多くは海外に送っており、担当者は「国内はすでにお客さまとのつながりができている。限られたリソースをどこに分配するかという中で、海外はリアル、国内はオンラインという判断をしている」と説明する。

 一方で、出展に消極的な関西企業が多い中、シャープは出展アイテム数を3年前の12点から22年は27点と2倍以上に増加する。企業向けの太陽光発電パネルから消費者向けのおしゃれな補聴器など、多様な製品を展示する。同社の担当者は「久しぶりのリアル開催なので、商談の機会として存分に活用したい」と意気込む。

 京セラの担当者も「実際に製品や技術の良さを体感してもらえる展示になるよう工夫している」と話す。ただ、出展企業数は減少傾向となっており、あるメーカーの担当者は「デモ機の手配や事業部をまたいだ調整など、リアル展示にかかる労力は大きい。気軽に出展はできない」と実情を口にする。

 電機メーカーの経営に詳しい早稲田大大学院の長内(おさない)厚教授は「かつてCEATECは新製品をアピールする場だったが、日本の家電業界が勢いを失った結果、出展も減少に転じた」と指摘。オンライン出展を選択する企業も増えており、「企業が効率性を重視するようになっているのではないか」と話した。

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