Google Pixel Watch Matte Black ステンレス ケース / Obsidian アクティブ バンド(Wifi)
Google Pixel Watch Matte Black ステンレス ケース / Obsidian アクティブ バンド(Wifi)

米グーグルが10月13日に発売する新製品スマートフォン「Pixel 7」「Pixel 7 Pro」と、同社初のスマートウオッチ「Pixel Watch」を一足早く入手。あれこれ試してみた。

Pixel 7ならびにPixel 7 Proはグーグルが開発したチップ「Tensor G2」を搭載したスマホだ。グーグルがクラウドサービス事業で培ってきた人工知能(AI)の処理能力をデバイス上で実現できるのが売りとなっている。

実際に使ってみて感じるのが、カメラ撮影時のAI処理の実力だ。Pixel 7 Proでは「超解像ズーム」により遠く離れた被写体を撮影できるのだが、とにかくこの実力がすごくてビックリさせられた。駅前の広場で撮影すると、遠くにあるビルにある看板やアンテナなどを実にクッキリと撮影できるのだ。





これまでのスマホでも望遠機能をアピールする機種はあったものの、正直いって両手で本体を持っても手ぶれがひどく満足のいく画像にはならなかった。しかし、Pixel 7 Proでは30倍デジタルズーム撮影が可能なのだが、スマホで撮影したとは思えないほどブレを感じず、メディアに掲載できるほどのクオリティーで撮れてしまうのだ。

もちろん、望遠だけでなくマクロ撮影機能でも、かなり被写体に寄っての撮影が可能だ。フルーツケーキを撮影してみたが、キウイやイチゴのみずみずしさ、シロップの光沢感、粉砂糖の粒子感などをきっちりと捉えており、こちらも満足できる撮影が可能であった。

夜間の暗い場所での撮影も、見た目以上に明るく撮れてしまうことに驚いた。このあたりもAIによる処理の効果が大きそうだ。超解像ズームもマクロ撮影もPixel 7 Proのみ対応しており、Pixel 7は非対応となる。カメラ機能を重視するなら、Pixel 7 Proを買うことをお勧めする。

また従来機種から対応しているが、撮影後に被写体の背後にある邪魔なものを消去することができる「消しゴムマジック」は今回から新たにピンボケを修整する機能なども盛り込んだ。消しゴムマジックは実際に使ってみると、ビックリするぐらいに自然に背景から余計なものを消してくれる。

ただしピンボケの修整は、機能の効果が発揮される被写体と、あまりピンボケが修整されない被写体などがあり、得手不得手があるようだ。「構図的には決まっているのに、ピンボケしていて残念」という写真には、とりあえずピンボケが解消されるか試す価値があるだろう。

いずれにしても、あとからいろいろと修整できる機能が満載なので、子どもやペットの撮影時はとにかく写真を撮りまくって、あとから気に入った構図の画像はAI処理をかけて満足のいく仕上がりにすればいいと思う。そういった意味でも、Pixel 7は新しいスマホ撮影体験を提供しているように感じた。

満足度高いレコーダーアプリ
もう一つPixel 7シリーズを使っていて満足度が高いのが、レコーダーアプリだ。記者という仕事柄、インタビューや記者会見で音声を録音することが多いのだが、Pixelシリーズではリアルタイムで文字起こしをしてくれるのが実に便利なのだ。精度が高く、使い勝手が本当に良く、同業者でも、レコーダーだけはPixelを使うという人も多い。

さらに翻訳アプリをPixel 7で試したところ、瞬時にしかもかなり正確に外国語に翻訳して、音声で伝えてくれる。デバイス上のAIが処理をするため、いちいちクラウドにアクセスせず俊敏に翻訳してくれるのだ。

グーグルオリジナルのチップである「Tensor G2」を載せたPixel 7シリーズと、クアルコムが手がけている「Snapdragon」を搭載したハイエンドスマホの性能をベンチマークアプリで比較しようと思ったが、残念ながら普段利用しているベンチマークアプリがPixel 7シリーズには非対応で実力の違いを測ることができなかった。今後Pixel 7シリーズが発売となれば対応になる可能性がある。

ちなみにPixel 7は8万2500円から、Pixel 7 Proは12万4300円からとなっている。米国での販売価格を考慮すると、昨今の円安基調によりもっと高い値付けになるはずなのだが、グーグルが頑張っているせいか、税抜き価格で比較すると1ドル当たり125円程度というかなりお値打ちなレート設定になっている。

カメラなどのAI処理の実力を考えると、コストパフォーマンスが相当良い。グーグルでは大盤振る舞いな下取りキャンペーンも展開しており、正直いって他のAndroidメーカーとすれば、かなりの強敵になることは間違いないだろう。グーグルとしてはPixelで利益を上げる気がないのかもしれない。一方で、同じ土俵で戦わざるを得ない他のAndroidメーカーがふびんでならないと感じるほどだ。

安価なグーグル初のスマートウオッチ
もう一つ、グーグルは初のスマートウオッチ「Pixel Watch」を発売する。実際に数日間装着してみたが、小さなボディーに丸いかたちをしており、文字通り「時計」という感じがして、手首に自然となじんでいる感がある。

ただ、丸い形ということで時計らしさはあるものの、一方で表示できる文字数が少なくなっているというのが弱点でもある。Apple Watchは初代から四角いボディーを続けているが、これは「表示できる文字数を稼ぐため」とされている。

このあたり「丸くて時計らしさを取るか」「時計らしさはなくなるが、文字数を稼ぐか」でメーカーの考え方の違いが出てくるところといえるだろう。Pixel Watchの使い勝手としてはスマホの通知や歩数や運動量の測定など、他のスマートウオッチで提供されている機能とあまり変わらない。

Pixel WatchはSuicaに対応しており、スマホを出さなくても電車に乗れたり、コンビニで買い物ができたりするのは結構便利だ。設定のアプリなどはAppleのほうが洗練されている感があるが、いずれ追いつくことだろう。一方で、Pixel WatchはiDやQUICPayなどは非対応となっているため、これらの決済サービスにも対応してくれることを望みたい。

とはいえ、こちらも3万9800円と安価な値付けとなっており、「Androidユーザーのための、初めてのスマートウオッチ」としての存在価値は十分にあるといえる。今回のPixel 7シリーズならびにPixel Watchは、いずれもコストパフォーマンスがずば抜けて高い。他のメーカーも、その売れ行きに戦々恐々としているのではないだろうか。

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