中国パネル最大手の京東方科技集団(BOE)は30日、北京市内に新工場を建設すると発表した。仮想現実(VR)製品に対応したパネルなどを扱い、2025年に量産を始める計画。総投資額は290億元(約5900億円)。
主力の液晶パネル事業の採算悪化で22年7~9月期に最終損益が赤字に転落した。新製品の投入で巻き返しを図る。
新工場はBOEが中心となって設立した企業が手掛ける。総建設面積は60万平方メートル。VR製品への対応品に加え、ミニLED(mini LED=発光ダイオード)と呼ばれる新たなパネルも生産する。
このパネルは画面の下に敷き詰めることで、画像をより鮮明に表示するとされる。
月5万枚生産する能力を持つという。新工場は23年に着工し、25年に生産を開始。26年のフル生産を見込む。
BOEが同日発表した7~9月期の最終損益は13億元の赤字となった。前年同期(72億元の黒字)から大きく悪化した。世界最大のシェアを持つ液晶パネルの価格下落を受け、売上高が同27%減の411億元に急減したことが響いた。
新型コロナウイルスを封じ込める「ゼロコロナ」政策による中国経済の減速などを背景に、主力の中国市場でテレビやパソコン、スマートフォン向けのパネル需要がいずれも低迷している。近年力を入れている有機ELパネルも伸び悩んでおり、BOEは新しい収益源を育てることが課題となっている。
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