クルマに搭載されるディスプレーは数が増える、大画面化する、高解像度化する、高コントラスト化する、さらに機能安全性が求められる。
こうした要求を満たせるディスプレーはスマートフォンで人気上昇中の有機EL(OLED:Organic Light Emitting Diode)ではなく、依然としてTFT方式液晶ディスプレー(Liquid Crystal Display:LCD)だ。
こう断言するのは、米Analog Devices(アナログ・デバイセズ、以下、ADI)のSzu-Kang Hsien氏(Senior Director of Product Management)である。





Hsien氏によれば、有機ELはコントラスト比が高くハロー効果がないものの、輝度が低かったり、動作温度範囲が狭かったりする。そして何よりもコストが高いことが車載ディスプレーに向かない理由だという。
「エッジ型LEDバックライトLCD(図3のEdge Lit LCD)のコストを1とすると、直下型LEDバックライトLCDのコストは1.5~2(Local Dimming LCD)、有機ELディスプレーは3となる」(同氏)。

 保守的な選択をしがちな自動車業界では、実績が多いこともLCDには優位に働く。「車載ディスプレーは当面、直下型LEDバックライトLCDが主流」とHsien氏は言う。
なお最近、直下型LEDバックライトLCDでは従来よりも小さなLED、いわゆるミニLEDを使うケースが増えてきているという。「コストは多少上がるものの、ミニでないLEDを使う場合に比べてコントラスト比は高く、消費電力が低い」(同氏)。

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