3d jdi-1_sジャパンディスプレイ(JDI)は、同社の液晶パネル技術を利用し、”通常の映像”と3D空間の奥行きを色情報等により距離として表現する”デプスマップ”の両方が取得可能な撮影技術の開発に、世界で初めて成功した。2024年には3Dセンサー市場への参入を目指す。

近年、自動運転やメタバースなど急速な市場の拡大が期待される分野において、人や建物等の形状や位置、さらには色や模様等を正確に把握し、情報・データとして取り込むことが求められている。こうした要求に対応する技術としては、ステレオカメラやToFセンサーが知られており、最近では解像度の向上や機械学習技術の進歩に伴って、高度な情報の取り込みが可能になっている。





3d jdi-2_sしかし、その一方で、距離や位置、色情報の取得には、センサーやカメラが複数必要になるなど、構造が複雑・大型化し、搭載する製品の大きさや取付け位置などの制約が大きくなっていたという。

今回開発した撮影技術は、JDIの液晶パネル技術と日立製作所研究開発グループの光学と画像処理の融合技術を組み合わせたもの。一般的なカメラレンズユニット及びイメージセンサーに、同社で開発した特殊なパターンを表示する液晶パネルを組み合わせ、撮影した映像から光学的物理量を抽出して演算することにより、ひとつのカメラで人や建物等の位置情報を立体的に取得し、デプスマップの生成が可能になる。

液晶パネル部分の表示モードを制御すれば、通常の映像撮影もでき、ステレオカメラとは違って、カメラ/センサー数は1基で済み、ToFセンサーとは違って、通常の映像/色情報を取得できる。

想定される使用領域はFA/AGV(無人搬送車)やVR/AR、ドローン、監視カメラ、自動車、スマートフォンなど。3Dセンサー市場は2026年に約1.4兆円規模に達すると予想されており、同社は2024年の参入を目標に同撮影技術によるカメラの小型化や性能向上等の開発を進め、より多くの製品・分野への搭載を容易にすることで、リアルとバーチャルの融合による安心・安全・豊かな社会の実現を目指すという。

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