Screenshot 2022-12-01 07.50.08テレビ用液晶パネルの大口取引価格が2カ月連続で上昇した。大型品で指標となるTFT55型オープンセル(バックライトがついていない半製品)の11月価格は1枚86ドル前後。前月と比べて3ドル(4%)高い。液晶パネルの在庫調整をおおむね終えたテレビメーカーが再び調達に動いた。

大口取引価格は、売り手となる中国や韓国、台湾のパネルメーカーと買い手となる国内外のテレビメーカーが毎月決める。小型品のTFT32型オープンセルは1枚30ドル前後と前月から3ドル(11%)上がった。
55型は7月(同87ドル前後)以来4カ月ぶり、32型は5月(同34ドル前後)以来6カ月ぶりの高値となった。

テレビ販売の減退を受けてサプライチェーン(供給網)全体で在庫が積み上がったことから、売り手となるパネルメーカーは5月後半から液晶パネルを減産してきた。





買い手となる韓国のテレビメーカーなどは液晶パネルの在庫調整にメドがついたことから、10月以降調達を再開している。これまでの値下がりで採算が悪化しているパネルメーカーの値上げ要請が通った。

調査会社テクノ・システム・リサーチ(東京・千代田)の桜井幸広アシスタントディレクターは「メーカーにより在庫調整の進捗には多少の差があるものの、市況の最悪期は脱した」と話す。

一方で物価高が家計を圧迫し、例年テレビ販売が増える年末商戦は今冬は振るわないとの見方が多い。中国では年間最大のインターネット通販セール「独身の日」に関連した11月1~11日の全国宅配便取扱量が前年同期比で1割減った。

製品販売が伸び悩めば、液晶パネルの需要に再びブレーキがかかる。米調査会社DSCCの田村喜男アジア代表は「12月に値上がりが止まる可能性が高まっている」とみる。

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