WSJ(Wall Street Journal)がディスプレイについて、概説的・網羅的な記事を書くのはとても珍しく興味深いです。時間があれば、原文で読んでみるのも面白いと思います。
――筆者のクリストファー・ミムズはWSJハイテク担当コラムニスト
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米国の成人は起きている時間の大半を画面を見て過ごしている。しかし、あなたが今このコラムを読んでいる画面を含め、そのほとんどは1980年代に登場した液晶ディスプレー技術をベースにしている。
だがそれは間もなく変化する可能性がある。多くの新しいディスプレー技術が開発中で、ウエアラブル端末やモバイル機器、ノートパソコンのバッテリー駆動時間が大幅に向上し、薄型化や軽量化が進み、日光の下でも画面が見やすくなるなど、さまざまなメリットが期待できる。
こうした新種のディスプレーの少なくとも一つは、現在は不可能な未来のテクノロジーを実現できる可能性もある。例えば、私たちの視界にデジタルインターフェースを重ねて投影する軽量の拡張現実(AR)スマートグラスなどだ。
既存ディスプレー技術の少しずつ進む改良とそうした新しい開発の結果、私たちのデバイスの視覚インターフェースは今後5年で過去30年と同じくらい大きく変化する可能性がある。
マイクロLEDに挑むアップル
このコラムをタブレットやノートパソコン、前世代のスマートフォンで読んでいれば、あなたの目に入る光は恐らく発光ダイオード(LED)が生成し、格子状に並んだ液晶画素を通して放たれているものだろう。つまり、LEDは液晶ディスプレーの画面を照らす「バックライト」の一種だ。あなたのデバイスの画面が旧式の映写機だとすれば、LEDは電球、液晶ディスプレーはフィルムで、あなたは映写機を直接のぞき込んでいることになる。
LEDは、白熱球や蛍光灯などの従来の光源よりも電力効率が高い。そのため現在、照明業界でも広く使用されている。したがって、あなたがこのコラムを紙で読んでいるとしても、LEDの反射光で見ているかもしれない。
「マイクロ」LEDディスプレーは、電球やノートパソコンに使われているLEDとはかなり異なるが、原理は同じだ。電流を半導体に流し、発光させる。マイクロLEDの場合、発光する半導体の一つ一つが細菌ほどの大きさしかなく、そのそれぞれの極小の画素が赤・青・緑のいずれかの色で発光するよう調整できる。それらを平らなプラスチックやガラスの上に格子状に配置し、配線を施せば、ディスプレーの出来上がりだ。
マイクロLEDに挑むアップル
このコラムをタブレットやノートパソコン、前世代のスマートフォンで読んでいれば、あなたの目に入る光は恐らく発光ダイオード(LED)が生成し、格子状に並んだ液晶画素を通して放たれているものだろう。つまり、LEDは液晶ディスプレーの画面を照らす「バックライト」の一種だ。あなたのデバイスの画面が旧式の映写機だとすれば、LEDは電球、液晶ディスプレーはフィルムで、あなたは映写機を直接のぞき込んでいることになる。
LEDは、白熱球や蛍光灯などの従来の光源よりも電力効率が高い。そのため現在、照明業界でも広く使用されている。したがって、あなたがこのコラムを紙で読んでいるとしても、LEDの反射光で見ているかもしれない。
「マイクロ」LEDディスプレーは、電球やノートパソコンに使われているLEDとはかなり異なるが、原理は同じだ。電流を半導体に流し、発光させる。マイクロLEDの場合、発光する半導体の一つ一つが細菌ほどの大きさしかなく、そのそれぞれの極小の画素が赤・青・緑のいずれかの色で発光するよう調整できる。それらを平らなプラスチックやガラスの上に格子状に配置し、配線を施せば、ディスプレーの出来上がりだ。
マイクロLEDディスプレーには有用な特性が数多くある。現在のフラットパネルディスプレーと比べて、1平方ミリメートル当たり何百倍、何千倍もの光を発することができる。さらに、どのような明るさでも消費電力がはるかに少なく、10分の1程度だ。
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