コニカミノルタコニカミノルタ株式会社は3日、株式会社ミライト・ワン、株式会社安藤・間(以下、安藤ハザマ)と協力し、建設中のトンネル内でローカル5Gを利用した低遅延カメラによる実証実験を行ったと発表した。  

コニカミノルタでは、建設機械の遠隔・無人操作技術の確立や生産性向上を目指して、ミライト・ワン、安藤ハザマとともに、トンネル工事現場におけるローカル5G活用の実証実験を実施した。

 実証では、コニカミノルタの低遅延カメラをトンネル内に構築したローカル5G環境に接続し、高精細映像を伝送する実験を行った。カメラと映像を受信・表示するディスプレイとの距離を200m、300m、400mと離しながら、映像の伝送と遅延時間を検証した結果、全地点でカメラの撮影からディスプレイへの表示にかかる遅延を100ミリ秒(0.1秒)以下に抑え、4Kの高精細映像を伝送できることが確認できたという。





この技術を活用することで、トンネル内などの特殊な環境下でも、建設機械の遠隔操作において、遅延が許されない緊急停止や、違和感のないスムーズな操作が実現できると説明。また、リアルタイムで4K高精細映像を取得できることから、AIの映像解析による危険検知なども可能になる。

 これらの技術は、工事現場の作業効率化や安全性向上、労働環境の改善に大きく貢献するものと考えており、今後は今回の実験で得られたデータも分析・活用しながら、建設機械の遠隔操作検証などに向けて、さらに開発を推進していくとしている。

 コニカミノルタは、画像IoTプラットフォーム「FORXAI(フォーサイ)」を活用し、カメラからサーバーまでシステム全体で超低遅延に取り組み、リアルタイムな操作が可能なシステムの開発を進めている。

 カメラから離れた場所にある端末で映像を受信する場合、伝送時間によって映像に遅延(タイムラグ)が発生し、遅延が100ミリ秒(0.1秒)を越えると人は違和感を持つと言われているが、一般的なネットワークカメラの遅延は数100ミリ秒~数秒あるため、リアルタイムに遠隔操作を行うことは難しいのが現状となっているという。また、通信時間だけを5Gで短縮したとしても、リアルタイムな遠隔操作には十分ではなく、5Gの強みである大容量・低遅延通信の特長を生かすには、映像を送信するカメラだけでなく、映像を受信するサーバーも含めてシステム全体で遅延を減らす必要がある。

 今回の実験に使用した低遅延カメラは、5Gに対応しているほか、最大4Kの高精細映像の伝送が可能で、映像伝送の遅延を50~70ミリ秒(0.05~0.07秒)に抑えている。このシステムを活用することで、建設機械だけでなく、あらゆる機械で遅延のない遠隔操作が期待でき、工事現場や工場などの省力化および安全性の向上に貢献できるとして、今後は早期実用化に向けて開発をさらに加速させていくとしている。

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