日本電産はカリスマ経営者と呼ばれる永守重信氏が強烈な個性で業績を伸ばしてきた企業である。関氏は永守氏が後継者候補として三顧の礼で迎えた人物であり、市場は関氏が同社のトップを継承すると考えていた。
多くのメーカーが没落した日本にとって、同社は日本の製造業の未来を担う数少ない企業の1つといってよい。
一方、鴻海精密工業は中華圏を代表するメーカーの1つであり、日本電産にとっては最重要顧客に相当する。一連のゴタゴタは各方面に大きな影響を与えそうだ。
関氏は以前、日産自動車のナンバー3を務めていたが、2020年、永守氏が口説き落として同社に迎え入れた。当初、両氏は蜜月関係にあったが、22年春に関氏が降格となり、永守氏がCEO(最高経営責任者)に復帰する人事が発表されたことで溝があらわになった。
関氏はその後も社内にとどまっていたが、対立は解消せず、永守氏が公の場で関氏を罵倒することもあったとされる。22年9月に関氏は退任。市場では同社の経営を引き継げる人物は関氏しかいないとの認識で一致していたこともあり、同社の株価は下がる一方となっている。
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