シャープは7日、呉柏勲・社長兼最高経営責任者(CEO)が社員向けのメッセージで2023年3月期に連結最終赤字に陥る見通しを示したことを明らかにした。シャープは2月7日に今期の業績予想を下方修正し、連結営業損益が200億円の赤字(前期は847億円の黒字)になるとしていたが、最終損益については「未定」としていた。経営トップとして今期は最終赤字になる見通しを社内に示し、来期は「年間黒字必達が最重要経営課題」と強調した。





呉社長が6日付で社員に発信したメッセージを公表した。シャープは17年3月期に248億円の最終赤字を計上してからコスト削減に取り組んできたが、呉社長は今期は「それ以来の赤字になる見通し」とした。業績悪化の要因として22年6月に子会社化したパネル工場の堺ディスプレイプロダクト(SDP)の低迷を挙げた。家電事業などについても「円安や原材料価格高騰の影響を受け収益力が大幅に低下し、22年4~6月期以降、赤字の部署の数が増加している」とした。

シャープはSDPの固定資産の減損や、国内外の工場で派遣従業員を削減するなどの構造改革を進める。呉社長は「SDPでは中期的視点に立った構造改革を加速していく。赤字部署では、不採算事業の改革や更なるコスト削減、人員適正化による筋肉質化を進める」と強調した。また、自身の責任については「CEOとして困難から決して目を背けず、自分自身の能力をさらに磨き上げることで、必ずこの難局を乗り越えていくと改めて決意した」とした。

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