アップルが今年9月にリリースする見通しのiPhone 15には、いくつかの目を引く機能強化が盛り込まれる予定だが、ここに来て同社が新たな問題に直面したことが報じられた。

韓国のテック系メディア「The Elec」の記事によると、iPhone 15の標準モデル用に中国パネル大手の京東方科技集団(BOE)が製造したOLEDパネルに、光が漏れ出す問題が発生。光漏れはパネル上部に開いたフロントカメラと各種センサー用の穴の周囲に発生したとされる。

BOEは年内にこの問題を修正する予定だが、この遅れにより、アップルは長年のパートナーであるサムスンディスプレイに同パネルの製造を頼らざるを得なくなり、生産開始を予定よりも1カ月早い5月に前倒しするよう依頼したという。





このニュースには二つの側面がある。一つは、iPhone 15シリーズの全モデルで近接センサーの位置が画面上部の「Dynamic Island」に移動するという最近のリーク情報を裏付けるものだ。パネル上部に追加された穴は、このセンサーを追加するために必要なものと解釈できる。以前の機種で近接センサーはディスプレイの下に配置されていたが、アップルはこの仕様変更によって安価なセンサーを採用できると報じられている。

もう一つは、このセンサーのコスト削減の努力が、無駄になる可能性が高いというものだ。アップルは、何年もかけてディスプレイの製造パートナーを多様化しようとしてきたが、サムスンディスプレイに救援を依頼したことで、かなりの代償を払うことになると予想できる。

このコストの上昇が今年のiPhoneの価格に転嫁されるかどうかは不明だが、iPhone 15のProモデルはすでに値上げする見通しであることから、他のモデルの価格も上がるとすれば驚きだ。アップルはProモデルと非Proモデルの価格・性能面での差を広げようと努力している。標準モデルやPlusモデルは販売台数が伸び悩んでいることもあり、値上げは避けたいところだろう。

The Elecはまた、iPhone 15の標準モデルとPlusモデルではOLEDパネルの薄膜トランジスタ(TFT)基板に従来の低温ポリシリコン(LTPS)が採用されると述べている。これは標準的なリフレッシュレートのパネルであり、今年のこれらの2モデルはまたもやProMotionに対応しないとする最近のリーク情報を裏付けている。

一方、上位モデルのiPhone 15 ProとPro MaxにはLTPO技術が採用され、バッテリー寿命に影響を与えずにProMotionの高いリフレッシュレートを提供できるとされている。

今年のiPhone 15シリーズには、標準モデルにもiPhone 14 Proで導入されたDynamic Islandが採用され、A16チップや、「MFi認証」で非対応ケーブルに制限をかけるUSB-Cポートが搭載される見通しだ。また、Proモデルには、感圧式のボリュームとミュートボタンや、新型のA17チップ、スーパーサイズのリアカメラ、改良版のLiDARセンサーが搭載されると報じられている。

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