デクセリアルズは2023年4月7日、本社を置く栃木事業所(栃木県下野市)内に新たに建設した「レセプション棟」を報道陣に公開した。同月3日に行った入社式から利用を開始しており、今後は顧客や株主、地域住民、社員といったステークホルダーとのコミュニケーションを図るための施設として活用していく方針である。
レセプション棟は、栃木事業所の正面入り口の右側、従来の来客受付の建物の向かい側に建設された。建屋は2階建てで高さ13.5m、建築面積は1299m2、延べ床面積は20452。デクセリアルズの主力製品であるフィルム製品群をイメージした外観を採用するとともに、太陽光発電システムや自然採光、自然風通などを活用することで、消費する年間の一次エネルギーがゼロとなるZEB(Net Zero Energy Building)基準を満たしている。
[参考記事] デクセリアルズ、蛍光体フィルム「PSシリーズ」を製品化
レセプション棟は、栃木事業所の正面入り口の右側、従来の来客受付の建物の向かい側に建設された。建屋は2階建てで高さ13.5m、建築面積は1299m2、延べ床面積は20452。デクセリアルズの主力製品であるフィルム製品群をイメージした外観を採用するとともに、太陽光発電システムや自然採光、自然風通などを活用することで、消費する年間の一次エネルギーがゼロとなるZEB(Net Zero Energy Building)基準を満たしている。
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デクセリアルズ 代表取締役社長の新家由久氏は「2012年10月にソニーから独立して社名をデクセリアルズに変更し2022年10月で10周年を迎えた。2021年7月にここ栃木事業所に本社を移転し、スマートフォンなどのハイテク製品だけでなく自動車向けでも事業を拡大しており、今後も顧客との共創によって最先端の技術開発を進めていく必要がある。今回のレセプション棟の完成と併せて、当社の先端技術を詳しく説明できるスペース『TECH POINT』を刷新し、自動車分野の顧客とのより深い共創が可能なラボ施設なども整備した。これからはレセプション棟を中心に、当社の技術力をアピールしていきたい」と語る。
レセプション棟の1階は、デクセリアルズの沿革とフィロソフィー、技術と製品、イノベーションや人材育成の取り組み、環境対応、社会貢献などを紹介する展示コーナーが設けられたエントランスと、ホール型の大会議室から成る。展示コーナーは非接触で操作可能なシステムで、バーチャル工場見学などもできるようになっている。広さ300m2の大会議室は定員150人で、162インチのLEDディスプレイなどの設備を使ってオンライン会議などにも対応できる。2階にはカフェラウンジと円卓が設けられた特別応接室を含めて3つの応接室がある。
デクセリアルズにとって2023年度は、2019年度から進めてきた中期経営計画「進化への挑戦」の最終年度に当たる。これまでのスマートフォンを中心とするモバイルIT市場への依存から脱却し、新規領域である自動車市場への事業展開を加速させているところだ。
新家氏は「自動車の電動化、自動運転化によって、メーターのディスプレイ化が進んでおり、当社の反射防止フィルムをはじめとする製品の採用が始まっている。反射防止フィルムについては、既に自動車メーカー20数社、100以上の自動車モデルで用いられている。種まきから時間はかかったが着実に花開きつつある。コロナ特需の反動でモバイルIT市場は厳しい事業環境だが、その一方で自動車分野の売上高は年率40%で成長する勢いにある」と強調する。
今回のレセプション棟の新設は、TECH POINTの刷新、自動車顧客向けのラボ施設の整備と併せて、社名変更から10周年のプロジェクトとなっている。「当社は材料メーカーではあるが、自動車メーカーと直接のやりとりで共創を重ねてきた。コロナ禍以前は順番待ちがあるくらいで、コロナ禍に入ってもリモートで取り組みを進めるなどしてきた。今後の自動車に求められるであろうデジタルコックピットの開発を例にとっても、自動車メーカーのデザイナーがコンセプトを検討する段階から、製造プロセスを含めて材料メーカーと共創する必然性があると感じているのではないか」(新家氏)。
また、反射防止フィルムだけでなく光学弾性樹脂や拡散マイクロレンズアレイなど光学設計を含めた「光を操るトータルソリューション」が高い評価を得ているという。新家氏は「自動車メーカーに確実に響いている。今後はさらに共創関係を深めていけるように、レセプション棟などをしっかり活用していきたい」と述べている。
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