テレビ用液晶パネルの大口取引価格が一段と上がった。4月分は前月に比べ3〜8%高い。減産による過剰在庫の解消を背景に、パネルメーカーが強気の価格交渉を進めた。中国の調達増を受けてパネル工場の稼働率も上がっており、供給増による上昇の鈍化を見込む声もある。
大口取引価格は売り手となるアジアのパネルメーカーと、買い手となる国内外のテレビメーカーが月ごとに決める。 大型品の指標となるTFT55型オープンセル(バックライトがついていない半製品)は、4月の価格が1枚99㌦前後と前月比7㌦(8%)高い。
値上がりは3カ月連続で、2022年4月以来、12カ月ぶりの高値をつけた。
小型品で指標となるTFT32型オープンセルも1枚32㌦前後と前月比1㌦(3%)高く、22年5月以来11カ月ぶりの高値となった。値上がりは2カ月連続だ。
大口取引価格は売り手となるアジアのパネルメーカーと、買い手となる国内外のテレビメーカーが月ごとに決める。 大型品の指標となるTFT55型オープンセル(バックライトがついていない半製品)は、4月の価格が1枚99㌦前後と前月比7㌦(8%)高い。
値上がりは3カ月連続で、2022年4月以来、12カ月ぶりの高値をつけた。
小型品で指標となるTFT32型オープンセルも1枚32㌦前後と前月比1㌦(3%)高く、22年5月以来11カ月ぶりの高値となった。値上がりは2カ月連続だ。
液晶テレビは物価高による消費者の節約志向で販売が振るわない。電子情報技術産業協会(JEITA)によると、国内の薄型テレビ出荷台数は21年後半以降、ほとんどの月で前年を下回る。テレビメーカーが部品調達を絞ったため、パネル価格も21年後半以降に急落。市況悪化を受けてパネルメーカーが減産した結果、市中在庫はおおむね適正水準となった。
中国のテレビメーカーはパネルの調達を本格化している。電子商取引(EC)大手の京東集団(JDドットコム)が6月に実施する「618商戦」に向けた、テレビの生産がピークを迎えている。パネルメーカーは過剰在庫の解消を背景に、強気の姿勢で値上げを要請。安定調達を優先したテレビメーカーが受け入れた。
618商戦に向けて中国がパネルを調達する流れは5月も続くとみられる。一方、パネルメーカーもテレビ用液晶パネルのライン稼働率を引き上げている。米調査会社のDSCCによると、4月の稼働率は推定で88%と、1月の74%から急上昇した。
DSCCの田村喜男アジア代表は「5月のパネル価格も引き続き上昇しそうだが、上げ幅は鈍化するだろう」と話す。実需が回復しているわけではなく、商戦の結果によって6月以降の大口取引価格は変動しそうだ。
※記事の出典元はツイッターで確認できます⇒コチラ
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