経営者・ビジネスマンにとって「会社の数字を意識して動けるか」は非常に重要です。

今までにない製品が世に出たとき、最初の頃は非常に高価であることが普通です。たとえば、今では当たり前になった液晶テレビも、出始めの頃は非常に高く、なかなか手が出なかったものです。

 当時に比べれば、液晶テレビも大分安くなりました。その理由としてよく言われるのが、液晶テレビが普及し大量生産されるようになったので、コストが下がったという説明です。

大量生産されると、なぜコストが下がるのでしょうか? そして、本当にコストは下がっているのでしょうか? 大量生産によってコストが下がる理由は、費用を「変動費」と「固定費」に分けることによって初めて理解できます。

 次のケースを考えてみてください。






【演習問題】

1個当たりの製造コストが100円の製品があります。その内訳は、変動費が40円、固定費が60円です。変動費は製品に使われる部品の費用、固定費は生産設備などにかかる費用などです。

従来はこの製品を年1万個製造していましたが、それを年2万個にしたとしましょう。その場合、製品のコストはどうなるでしょうか?

まず、変動費は製品に使われる部品の費用などですから、製品を何個作ろうとも1個当たり40円のままです。

一方、固定費は総額が固定です。1個当たりのコストに含まれる固定費60円は年1万個製造している前提での金額ですから、1年間の固定費の総額は60円×1万個=60万円です。これが固定です。

したがって、製造量が年2万個になれば、1個当たりの固定費は60 万円÷2万個=30円になります。製造量が倍になったので、固定費の1個当たり負担額が半分になったと考えてもいいでしょう。

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