シャープの呉柏勲・社長兼最高経営責任者(CEO)は4日、台湾の言葉で財源や事業の拡大を意味する「開源」を2024年3月期のキーワードにすると表明した。前期に多額の最終赤字を計上する主因となった、液晶パネル子会社の堺ディスプレイプロダクト(SDP、堺市)については「投資を最小化し赤字幅の縮小に取り組む」と述べた。

呉氏が同日、社員に対して発信したメッセージに記した。SDPの赤字縮小に向けて「収益重視の生産や販売活動を一層徹底し(生産の)カテゴリーシフトを図る」考えを示した。SDPは主にテレビ向けの大型液晶パネルを生産しているが、有機ELパネルなどにシフトしている中韓勢に比べ競争力で見劣りする。





シャープ再建   鴻海流スピード経営と 日本型リーダーシップ【電子書籍】[ 中田行彦 ]
シャープ再建   鴻海流スピード経営と 日本型リーダーシップ【電子書籍】[ 中田行彦 ]

呉氏は6月27日の株主総会で「SDPや株価低迷に対する厳しい意見や心配の声を多数いただいた」ことも率直に記した。その上で「業績を継続的に向上させていくために、事業拡大による利益創出へと軸足を移すことが重要」と強調。海外事業の拡大、高付加価値製品の販売強化による収益拡大を目指すとした。

社外取締役に招いた、動画投稿サイト「ユーチューブ」の共同創業者として知られる陳士駿(スティーブ・チェン)氏にも触れ、「開源の取り組みを中心に様々な観点からアドバイスをいただく」と話した。

※記事の出典元はツイッターで確認できます⇒コチラ