台湾の鴻海科技集団(フォックスコン)は10日、インドの金属・天然資源大手ベダンタと立ち上げた半導体合弁会社から撤退すると発表した。インドを半導体製造の一大拠点とすることを目指すモディ首相にとっては大きな打撃となる。

電子製品の受託製造サービスで世界最大手のフォックスコンは昨年、ベダンタとの間でモディ氏の地盤であるインド西部グジャラート州に半導体とディスプレーを生産する合弁会社を設立した。

しかしフォックスコンはこの日、ベダンタとの合弁事業を進めていかないと表明。これまでベダンタと協力して「素晴らしい半導体のアイデアの実現」に尽力してきたが、双方が合弁を解消することを決めたと述べた。撤退の詳しい理由は示していない。





インドにおける経営者集団の形成と系譜 グジャラート州の宗教・カーストと経営者 [ 篠田 隆 ]
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一方ベダンタは、半導体プロジェクトを全面的に実行していくと強調するとともに、インド最初の受託製造工場設立に向けて幾つかの別のパートナー候補を選んでおり、モディ氏の構想を現実化する取り組みを強化するとしている。

事情に詳しい関係者の1人は、合弁会社に対するインド政府のインセンティブ承認が遅れていることを巡る懸念が、フォックスコンの今回の決定につながったとの見方を示した。

モディ氏は、インドの電子製造事業に「新時代」をもたらす経済戦略を推進する上で半導体を最優先分野に掲げていた。

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