ソフトバンクグループのビジョンファンド(SVF)は2018年、屋外からの熱や日差しの量を自動的に調節するダイナミックガラスを製造するビュー社(View Inc.)に11億ドル(約1530億円)を出資した。同社の「スマートウィンドウ」は、太陽の位置に応じてビル全体の窓の色を変えて部屋を涼しく保ち、莫大なエネルギーを節約すると謳われていた。
ビュー社は、ソフトバンクの他に、ニュージーランドとシンガポールの政府系ファンドなどの投資家から合計20億ドル以上を調達した。
「当社の製品は、業界全体をディスラプトする」と、同社のラオ・ムルプリCEOは2020年に特別買収目的会社(SPAC)経由で上場した際に述べていた。
ビュー社は、ソフトバンクの他に、ニュージーランドとシンガポールの政府系ファンドなどの投資家から合計20億ドル以上を調達した。
「当社の製品は、業界全体をディスラプトする」と、同社のラオ・ムルプリCEOは2020年に特別買収目的会社(SPAC)経由で上場した際に述べていた。
しかし、カリフォルニア州ミルピタスに本社を置く同社の野望は、不正の告発と株価の下落の中で打ち砕かれた。ビュー社は今年初め、従業員のほぼ4分の1を解雇したと報じられ、先週は米証券取引委員会(SEC)からの不正会計疑惑の告発で和解した。
コスト削減や資金調達の努力にもかかわらず、ビュー社は存亡の危機に直面している。同社はナスダックから上場廃止の警告を受けており、先日は今年9月以降の運営資金が足りなくなると発表した。株価は2021年のピーク時に12.49ドルに達した後、直近では13セント付近に下落している。
自身が経営するユニオン・グローブ・ベンチャー・パートナーズを通じてビューに投資しているグレッグ・ボーレンは「これは、恥ずべきことだ。彼らは上場すべきではなかった」と述べている。
ボーレンは、ビュー社の基盤となるテクノロジーが確かなものだという信念のもと、2013年に初めて同社を支援したが、幹部らに上場しないよう求めたという。ガラスの開発には予想以上のコストがかかり、パンデミックで建設業界は壊滅的な打撃を受けた。その上、ビュー社の財務報告には明らかな問題があり「彼らはまったく酷い上場企業になってしまった」とボーレンは語った。
しかし、ビュー社のムルプリCEOは、SPACとの合併で8億ドルを調達しており、会社を上場させたことを後悔していないとフォーブスに語った。現在の問題は、会計上の修正申告に関する「悪評」と、オフィスセクターのマクロ的な凍結に起因するものだと彼は説明した。また、窓の欠陥は、2019年以降は販売されていない古いモデルに限定されていると彼は付け加えた。
ムルプリは、既存の投資家からさらに1億5000万ドルを転換社債によって調達しようとしており、これにより同社を黒字化できると主張している。
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