
台湾の電子部品主要6産業の▽液晶パネル、▽プリント基板(PCB)、▽受動部品、▽発光ダイオード(LED)、▽センサー、▽電池産業の2023年上半期(1~6月)の生産額は計約1兆台湾元で、前年同期比13.8%減少した。
世界的なインフレや在庫調整で▽パソコン、▽スマートフォン、▽タブレット端末──など電子製品の需要が鈍化し、各電子部品の出荷が減少した。いずれの産業も生産額が前年同期比10%以上減少し、台湾LED産業の減少幅は25.1%に上った。
一方、先進運転支援システム(ADAS)、自動車向け高性能計算(HPC)など車載用電子製品向けはプラス成長となった。
電気自動車(EV)に使用される▽パネル、▽PCB、▽受動部品などの数量はその他の電子製品より数倍多いため、今後の需要増が期待できる。また、その他の電子製品の需要も下半期(7~12月)に回復し、台湾の電子部品主要6産業の23年通年の生産額は前年比3.6%減の2兆3000億元となる見通しだ。
台湾パネル産業、マイクロLEDに期待
台湾の電子部品主要6産業のうち、生産額が最大なのはパネル産業だ。22年のパネル世界生産額は1121億米ドルで前年比15.5%減少したものの、23年は▽パネルの在庫調整が完了し、価格が上昇傾向にある、▽デジタルトランスフォーメーション(DX)向けの需要増が期待できることから、通年のパネル世界生産額は1138億米ドルと前年をやや上回る見通しだ。
また、台湾パネル産業はマイクロLEDパネルの需要が期待できる。マイクロLEDパネルは高輝度、低消費電力を特徴とし、23年中に量産される見通しで、腕時計型ウエアラブル端末(スマートウオッチ)や仮想現実(VR)/拡張現実(AR)ヘッドギア向けが主な出荷先になると見込まれている。
台湾のパネルメーカーにとっては、マイクロLEDパネルの前工程は液晶パネルの延長線上にあり、新たな設備投資が少なくて済む。さらに、中国と韓国のメーカーが有機EL(OLED)パネルの分野で激しい競争を繰り広げる中、台湾メーカーはマイクロLEDパネルの分野を強化することで大きな需要を取り込むことができる。
台湾PCB産業、HPC・自動車・衛星向けがけん引へ
台湾PCB産業の生産額は世界首位で、22年の世界シェアは35%だった。台湾PCB産業は台湾の電子部品上位3産業の一つでもある。
台湾のPCBメーカーの主要製品は多層基板だが、近年はHPCや自動車向けで▽フレキシブルプリント基板(FPC)、▽HDI基板、▽IC基板の比率を増やしている。特にIC基板の生産額は21年、22年に大きく増加した。
22年は第5世代移動通信(5G)向けの需要が貢献し、台湾PCB産業の生産額はプラス成長が続いた。23年は世界経済の減速や、5G対応スマホの普及率が既に60%近くに達したことで生産額が落ち込んでおり、新たな成長分野が必要とされている。
24年は▽HPC、▽自動車、▽人工衛星向けの需要が台湾PCB産業の成長をけん引する見込みだ。また、28~30年には6Gサービスが開始され、再びスマホ向けのPCB需要が拡大すると予想されている。
※記事の出典元はツイッターで確認できます⇒コチラ
Comment
コメントする