iPhone 15 ProおよびiPhone 15 Pro Maxで報告されている異常発熱問題をAppleが認め、ハードウェアではなくソフトウェアが原因であると声明を出しました。AppleはiOS 17のソフトウェアアップデートで異常発熱問題を修正すると約束しています。

2023年9月22日に発売されたiPhone 15シリーズでは、急速充電時や長時間使用時に端末が異常に発熱する問題が複数ユーザーから報告されています。特に、iPhone 15 ProおよびiPhone 15 Pro Maxで異常発熱の報告が多かったことから、当初はA17 Proが異常発熱の原因なのではないかと指摘されていました。

しかし、Apple関連の著名アナリストであるミンチー・クオ氏は、「私の調査によると、iPhone 15 Proシリーズの過熱問題はA17 Proの製造を担当するTSMCの高度な3nmプロセスとは無関係です。発熱の原因はチタニウムフレームの採用による軽量化を達成するために、熱設計に妥協が加えられ、放熱面積が減少し熱効率が悪化したためです」と指摘していました。





この異常発熱問題について、AppleはForbesのDavid Phelan氏に対して「過熱の原因はハードウェアではなくソフトウェアによるものであり、iOS 17のソフトウェアアップデートによりすぐに解決されることになる」という声明を出しました。

Appleは「iPhoneが予想よりも熱く動作する原因となる可能性のあるいくつかの条件を特定しました。デバイスのセットアップまたは復元後の最初の数日間は、バックグラウンドアクティビティが増加するため、デバイスが熱く感じるケースがあります」と述べ、特にデバイスをバックアップから復元する際にバックグラウンドで動作するアクティビティが増加することで、異常発熱の原因となっていると述べました。なお、Appleは公式のサポートページでもバックアップから復元する際に端末が熱を帯びると説明しています。

iPhoneのiOSをiOS 17などのメジャーバージョンにアップグレードすると、アップグレード後の最初の数時間、場合によっては数日間はデバイスの動作が遅く、いつもより端末が発熱するケースがあります。この発熱がいつもよりも過剰になっているとAppleは主張しているわけです。しかし、OSをアップグレードしてから数時間、あるいは数日を超えてもiPhone 15 Proが異常発熱し続けていると主張する人もいます。

また、Appleは「もう1つの問題は、サードパーティー製アプリの最新アップデートによってシステムに過負荷がかかるというものです。我々はこれらのアプリ開発者と協力して修正プログラムを展開中です」と述べ、サードパーティー製アプリのアップデートがシステムに過負荷をかけていると説明しています。Forbesによると、異常発熱の原因となっているサードパーティー製アプリにはInstagramやUberなど、何百万人ものユーザーを抱える有名アプリが含まれているそうです。異常発熱の原因となっているアプリのひとつがレーシングゲームアプリの「アスファルト9:Legends」で、同アプリのような精細なグラフィックを出力するアプリも異常発熱の原因となる模様。なお、ForbesによるとInstagramは2023年9月25日(水)にソフトウェアアップデートにより問題を修正したそうです。

加えて、Appleは「一部のユーザーに影響を与えるiOS 17のバグも発見されているため、ソフトウェアアップデートでこれを修正する予定です」とも述べています。異常発熱を抑えるためにAppleがA17 Proのパフォーマンスを落とす可能性が指摘されていましたが、Forbesは「このソフトウェアアップデートでiPhoneの異常発熱問題を解決するために、CPUのパフォーマンスを抑制することはないようです」と報じています。

つまり、Appleによると異常発熱の原因は以下の3点だそうです。

・デバイスをバックアップから復元する
・不正な動作をするサードパーティー製アプリ
・iOS 17のバグ

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