台湾00tsai中台間の緊張が高まり続ける中、蔡英文・総統は中華民国の建国記念日に当たる10月10日の双十節の祝賀式典で、任期最後の演説を行い、「中華民国台湾」は既に台湾の2300万人の主流の共通認識だと強調した。
両岸(中台)関係については、平和が唯一の選択肢で、現状維持が平和の鍵だと改めて述べた。中国と、台湾の民意と共通認識を基礎とし、対等で尊厳ある民主的な対話で、現状維持を核心とする、双方が受け入れ可能な交流の基礎と平和共存の道を発展させたいと語った。11日付自由時報などが報じた。

蔡・総統は、2016年の就任以来、現状維持に終始し、「4つの堅持」を堅守し、挑発せず、圧力に屈しず、世界の民主国家と協力し、地域の平和と安定を守ってきたと語った。  

蔡・総統は、台湾海峡の平和と安定が、国際社会の安全と繁栄に不可欠だと、世界中が身をもって知っており、一方的に現状を変えてはならないと強調した。





 4つの堅持とは、蔡・総統が21年の双十節式典の演説で掲げた主張で、▽中華民国と中華人民共和国は互いに隷属しないこと、▽自由民主、▽主権、▽「中華民国台湾」の前途を台湾の人民の意思で決定すること──から成る。

 中国の外交部の汪文斌・報道官は10日、台湾海峡の平和と安定にとって最大の脅威は、民進党当局が台湾独立の立場を堅持し、外部勢力と結託して、挑発を図っていることだと批判した。

 蔡・総統は、各政党のリーダーに対し、民主主義社会では政権争いは日常だが、総統選挙が終われば、より大きな共通認識を模索し、一致団結しようと呼び掛けた。

 双十節の祝賀式典には、台湾民衆党の柯文哲・主席や時代力量の王婉諭・主席、親民党の宋楚瑜・主席らが出席した。国民党の朱立倫・主席や馬英九・元総統の姿はなかった。馬・元総統は先日、3年連続で双十節の英訳を「Taiwan National Day」としたことに不満を示し、式典への出席を拒否すると表明していた。

 蔡・総統は、域内総生産(GDP)は就任当時の17兆5000万台湾元(約81兆円)から、今年は23兆元を超える見通しだと指摘した。世界経済が停滞し、インフレが続く中でも、台湾は世界平均以上の成長が続いていると説明した。

 産経新聞の矢板明夫・台北支局長はフェイスブック(FB)の投稿で、陳水扁・政権の2000~07年の経済成長率は平均4.8%、馬・政権の08~15年は2.8%で、蔡・政権の16~23年は3.4%の見込みと指摘した。

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