技術231011_device03電子情報技術産業協会(JEITA)が3年ぶりに実装技術ロードマップを更新し、「2022年度版 実装技術ロードマップ」(書籍)を2022年7月に発行した。本コラムではロードマップの策定を担当したJEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会の協力を得て、ロードマップの概要を紹介してきた。

今回は同第4目「2.6.3.4 タブレット・スマートフォン・ノートPC向けディスプレイ」の概要をご紹介する。

実装技術ロードマップでは、スマートフォンとタブレット、ノートPCのディスプレイパネル市場(出荷数量ベース)を2025年まで予測した。スマートフォンのパネル技術は液晶とリジッド(ガラス基板タイプ)OLED、フレキシブル(フィルム基板タイプ)OLEDに分かれる。





 世界全体のスマートフォン出荷台数は2021年~2025年におよそ16億台~18億台で推移すると予測する。パネル技術別の比率(出荷数量ベース)では、2021年に液晶パネルが61%、リジッドOLEDが16%、フレキシブルOLEDが23%と推定した。これが2025年には液晶パネルが51%に低下し、フレキシブルOLEDが46%に増えると予測する。フレキシブルOLEDの比率は2倍に増え、半分に迫る。ディスプレイの大きさ(対角線寸法)は最大でも6インチ程度にとどまる。ミニタブレットのディスプレイが7インチ前後なので、スマートフォンの6インチ(平面状)というのはいささか大き過ぎる。

 OLEDの採用理由は主に、画像のコントラスト比が高い、バックライトがないのでパネルが薄い、などにある。フレキシブルOLEDではディスプレイを軽くできることから、ハイエンドスマートフォンへの採用が進んでいる。さらに、フレキシブルOLEDを基本技術とする折り曲げ可能なディスプレイが開発され、ハイエンド品の一部に搭載された。折り曲げ可能なディスプレイを搭載したスマートフォンは本体を折り畳めるので、非使用時の取り扱い易さが大きく向上するとともに、使用時はより大きなディスプレイで画像を閲覧できる。

[関連記事] 
フラットパネルディスプレイの進化を支えるデバイスの基礎
超大型ディスプレイの品質を極限まで高めるマイクロLED(前編)