kmishima_konicaminolta1_w590コニカミノルタは2023年10月10日、センシング技術やディスプレイ用フィルムなどを含むインダストリー事業の戦略について発表した。豊富な顧客接点とキーコンポーネントを持つ強みを生かし、製造業のエンジニアリングチェーンに深く入り込むことで、これらを複合的に提案し成長につなげていく方針だ。

本稿では、前編でインダストリー事業全体の方向性と、複合的な取り組みが実を結んでいるディスプレイ事業の取り組みを紹介し、後編では自動車外観検査事業と半導体製造装置用光学コンポーネント事業の取り組みを説明する。  

コニカミノルタのインダストリー事業における強化領域には、センシング、機能材料、光学コンポーネント、インクジェットなどの事業がある。2022年度(2023年3月期)の売上高が1230億円で、営業利益率が約20%となっており、コニカミノルタの他の事業体に比べても安定して高い利益率を生み出している。





kmishima_konicaminolta13_w590 強みとなっているのが、同社が培ってきたコア技術を基に、モノづくりサプライチェーンの中でジャンルトップ製品を構築していることだ。さらに変化の大きな市場ではなく、中規模の安定市場を狙い、その中で高いシェアを獲得することで高い収益性を確保するという勝ちパターンを構築している。コニカミノルタ 常務執行役 インダストリー事業 管掌の亀澤仁司氏は「コニカミノルタの生命線は顧客接点にある。インダストリー事業は限られた顧客企業により深く入ることが重要で、顧客と一緒に事業を作っていくという形がポイントだ」と述べる。

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