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東レは、マイクロLEDディスプレーの製造プロセスで、LEDチップを配線基板に接合するための微細な端子(バンプ)を形成するための接合材料を新たに開発した。これまでは低温低圧プロセスと微細加工を両立させるのが難しかったが、新材料では直径5µmと微細なバンプ形成が可能で、しかもプロセス温度や圧力も大きく低減した。これで、この次世代ディスプレーの製造に関するミッシングリンクが埋まり、市場で離陸する準備が整ったといえる。
 ところが、マイクロLEDディスプレーが話題になって10年以上経つにもかかわらず、製品は非常に少ない。LEDチップの製造コストが高い上に、そのチップの配線基板への実装に非常に時間がかかっていたからだ。10年前は、1辺が数十µmかそれ以下の微細なLEDチップを1個ずつ配線基板に移していたため、LEDチップを約2500万個用いる4Kディスプレーでは1枚のパネルの製造に数カ月かかるともいわれた。






 そうした課題の多くは近い将来、解消に向かいそうだ。この1~2年、東レと東レエンジニアリングが、マイクロLEDディスプレーの製造上の課題を解決する製造プロセスやそのための装置や材料を次々に発表しているからである。それぞれの要素技術がブレークスルー級のインパクトがある。
 この他、一般的な半導体製造プロセス向けに開発した複数の技術も、マイクロLEDディスプレーの製造に転用できるとする。例えば、東レが2015年に発表した基板の薄膜化に用いるウエハーの仮貼り材料は、レーザー転写の前処理に利用する。
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