シャープ栃木工場(矢板市)の跡地約24ヘクタールを製材大手トーセン(同)が取得したことが分かった。同社は、製材工場やバイオマス発電所などを造る構想を明らかにした。
栃木工場は1968年、県の開発公社の造成地約32ヘクタールに完成した。2万人台だった市の人口はほどなくして3万人を超えた。カラーテレビを量産し、工場従業員は86年に最多の約3100人になった。市は「シャープ城下町」だった。
工場では開発から生産まで担ったが、液晶事業などの不振で2012年から規模縮小が始まった。16年、シャープは鴻海精密工業(台湾)の傘下に入り、拠点の効率化を進め、18年に工場でのテレビ生産を終えた。同年の工場従業員は約660人だった。
栃木工場は1968年、県の開発公社の造成地約32ヘクタールに完成した。2万人台だった市の人口はほどなくして3万人を超えた。カラーテレビを量産し、工場従業員は86年に最多の約3100人になった。市は「シャープ城下町」だった。
工場では開発から生産まで担ったが、液晶事業などの不振で2012年から規模縮小が始まった。16年、シャープは鴻海精密工業(台湾)の傘下に入り、拠点の効率化を進め、18年に工場でのテレビ生産を終えた。同年の工場従業員は約660人だった。
シャープは現在も、工場西側の第2工場と商品センターが立つ約8ヘクタールを所有している。跡地約24ヘクタールには第1工場や研修所、社宅などの建物が残っている。
市によると、国道4号に面し、東北道矢板インターチェンジにも近い工場跡地には、多くの企業が関心を寄せていた。だが、50億円ともいわれる建物の解体費が障壁になり、話が進まなかった模様だという。
このため、市とともに跡地の活用を模索していたトーセンの東泉清寿社長(70)が「自分でやるしかない」と決意。シャープと跡地の売買契約を結び、25日に取得した。市商工会長でもある東泉氏は「これを自分の最後の事業だと思ってやる」と話す。
跡地の建物は解体せずに活用する方針。製材工場とバイオマス発電所を設け、残る跡地は他の企業に貸し出す考えだ。詳細は12月に発表するという。
トーセンは1964年創業。栃木や群馬など5県の30カ所に工場、2カ所にバイオマス発電所がある。グループ会社を含め昨年度の売上高は約143億円。
市は工場跡地の活用を後押しするため、2021年度はホテルなどを対象に、今年度は全企業を対象に奨励金制度を設けた。進出企業の土地・建物・機械類の新設や増設費が1億円超なら、進出後3年間、固定資産税相当額を上限なしに交付するとした。
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