東レが輝度1000nit(ニト)の高輝度液晶に対応した有機波長変換シートを開発した。特徴は、色再現性が高いこと、有害物質を使っていないため環境負荷が小さいこと。同社によると、2024年に高輝度が求められるハイエンドの液晶ディスプレーや液晶テレビでの実用化を目指している。
有機波長変換シートとは、液晶ディスプレーや液晶テレビのバックライトに使われる青色光の波長を、赤色光と緑色光に変換し、白色光を得るために使われる。半値幅の狭い赤色光と緑色光に変換できるため、カラーフィルターでの光学損失が小さく、高い色再現性を可能とする。半値幅とは、明るさのピーク値を100%としたときに、50%の値をとる波長の幅のことである。
半値幅が狭い光ほど、ピーク値を中心に急峻(きゅうしゅん)な、波長の広がりが小さい色純度の高い光となる。液晶ディスプレーや液晶テレビはバックライトからの白色光をカラーフィルターで赤、青、緑の単色光に変換し、画像を表示しているため、フィルターを通す波長からずれた光は透過せず、それがロスとなってしまう。半値幅が低ければこのロスを抑えられる。
白色光を得るにはいくつか方法がある。例えば、青色LEDと黄色の蛍光体を組み合わせる方法がある。しかし、この方式は、単色の赤色光と緑色光ではなく、両方の波長を含んだ黄色光を使うため、赤色光と緑色光の半値幅が100nm以上と広い。その結果、カラーフィルターでの光学損失が大きく、色再現性が低くなる。一方、有機波長変換シートは、青色LEDと、半値幅の狭い赤色光と緑色光を組み合わせることで、カラーフィルターでの損失を小さくし、高い色再現性を実現できるという。「半値幅の値については非公開」(東レ)である。
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