東レは、有機蛍光体を用いたカドミウムフリー有機波長変換シート「ルミリカ™」の信頼性をさらに改良し、高輝度液晶ディスプレイ向け新製品を開発した。テレビ、モニター用途への展開を進めていく。
液晶ディスプレイは今日も技術進化が進んでおり、4Kなどの高精細化に加えて、明暗をより鮮明に表現するための高輝度化と、自然の色をより鮮明に表現するための広色域化が求められている。高輝度化では、ハイダイナミックレンジ(HDR)¹⁾やローカルディミング²⁾技術により、明暗の明瞭化などの優れた輝度表現が可能になるが、光の高強度化や部材温度の上昇に伴う光学部材の劣化が課題となる。
液晶ディスプレイは今日も技術進化が進んでおり、4Kなどの高精細化に加えて、明暗をより鮮明に表現するための高輝度化と、自然の色をより鮮明に表現するための広色域化が求められている。高輝度化では、ハイダイナミックレンジ(HDR)¹⁾やローカルディミング²⁾技術により、明暗の明瞭化などの優れた輝度表現が可能になるが、光の高強度化や部材温度の上昇に伴う光学部材の劣化が課題となる。
広色域化では、蛍光性半導体微粒子である量子ドットを用いた量子ドットシートが実用化されているが、カドミウム等の有害元素が使われている。カドミウムの使用量を低減した量子ドットシート(カドミウムレス)も開発されているが、依然としてカドミウム等の有害元素を使用しているのが現状。カドミウム等の有害元素の使用は環境調和の観点からグローバルに普及する際の障害となると考え、東レは完全にカドミウムを含まない「カドミウムフリー」を前提とした波長変換シートの開発を進めている。
東レが開発した有機波長変換シート「ルミリカ™」は、波長変換材料として高色純度発光を示す有機蛍光体を用いた広色域液晶ディスプレイ用シート部材であり、カドミウムを全く含まない環境調和型の波長変換技術。本技術は、ディスプレイに関する国際学会であるSID³⁾において、"Display Industry Award : Display Component of the Year"(2020)を受賞している。
このたび、東レは、有機波長変換シート「ルミリカ™」のシート組成を改良することで、長期信頼性を従来品対比で50%改善⁴⁾することに成功し、高輝度の液晶ディスプレイへの適用が可能となった。高輝度が求められるプレミアム液晶テレビやDisplayHDRTM 1000⁵⁾相当のハイエンド液晶モニター等への適用検討を既に開始している。2024年の実用化を目指し、研究・技術開発を推進していく。
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