TOPPANホールディングス(旧凸版印刷)は3月末に経営破綻したJOLED(ジェイオーレッド)の能美事業所(石川県能美市)を買収した。買収後は生成AI(人工知能)向けに需要が増える半導体パッケージ基板の生産や開発拠点として活用する。2027年以降に稼働させる計画で、将来は会社全体の基板の生産能力を22年度比4倍に高める。
能美事業所の土地と建屋をJOLEDから取得した。同事業所で生産するのが「FC-BGA」と呼ぶ基板で、プリント配線板と大規模集積回路(LSI)をつなぐために使う。TOPPANはデータセンターのサーバーや生成AI用の半導体向けなどに需要が伸びるとみている。買収額や設備投資額は明らかにしていない。
能美事業所の土地と建屋をJOLEDから取得した。同事業所で生産するのが「FC-BGA」と呼ぶ基板で、プリント配線板と大規模集積回路(LSI)をつなぐために使う。TOPPANはデータセンターのサーバーや生成AI用の半導体向けなどに需要が伸びるとみている。買収額や設備投資額は明らかにしていない。
TOPPANはFC-BGAを唯一生産する新潟工場(新潟県新発田市)の生産能力を25年度に22年度から倍増させる。増強後は新潟工場での拡張余地がなくなるため、新拠点の確保が課題だった。能美事業所の生産能力は増強後の新潟工場と同程度を目指す。
今回はJOLEDから能美事業所の売却の打診があったという。能美事業所はもともと有機ELディスプレーを製造しており、設備の一部はFC-BGAの生産や開発に流用できるとしている。
TOPPANは半導体関連事業の拡大に力を入れており、25年度までの3年間で半導体基板を含むエレクトロニクス製品の生産能力増強に約600億円を投じる。それまでの3年間より100億円多く、FC-BGAを重点製品としている。
JOLEDはソニーとパナソニックの有機EL事業を15年に統合して発足し、独自製法による有機ELの量産を目指していた。ただ韓国や中国勢との競争激化などで収益が悪化し、23年3月に民事再生手続きの開始を申し立てた。負債総額は337億円だった。
経営破綻に伴い製造・販売ビジネスからは撤退し、能美事業所、千葉事業所(千葉県茂原市)を閉鎖した。開発事業はジャパンディスプレイ(JDI)に10億円で譲渡していた。
能美事業所はもともと米アップルのiPhone向けパネルなどを生産するJDIの工場だったが、経営不振に陥り、官民ファンドのINCJ(旧産業革新機構)が買収。18年にJOLEDがINCJから約200億円の出資を受け、INCJから能美事業所を買い取った経緯がある。
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