O4243743021122023000000-2ジャパンディスプレイ(JDI)の株価が最安値圏で推移している。21日の東京株式市場で株価が3日ぶりに下げ、前日比1円(5%)安の20円となった。成長市場の有機ELは中国や韓国勢に押され、液晶事業もスマートフォン向けで不採算が続き縮小する方針。INCJ(旧産業革新機構)による保有株の売却も投資家心理の悪化を招いている。

INCJが7日に関東財務局に提出した大量保有報告書によると、保有比率は5.51%から報告義務のない5%以下の4.51%に低下した。売却理由は明らかにしていないが、INCJは活動期限を2025年3月までと定めており、保有株の段階的な売却を進めている。売却が判明した7日の株価は前日比11%安となった。






JDIの坂口陽彦・最高財務責任者(CFO)は21日、「株価について重く受け止めている。有機ELの独自技術を最大限生かして早期の黒字化を目指す」とコメントした。

JDIは中国安徽省で25年以降の稼働を目指して有機ELパネルの工場建設を計画しており、中国企業や投資家からも資金を募る。地方政府などと協議して23年12月末までの最終合意を目指すとしており、近日中に交渉の経過が明らかになる見通しだ。

JDIはソニーグループと東芝、日立製作所の中小型パネル事業が統合して12年に発足した。有機ELパネルの市場拡大に乗り遅れた上、液晶も中国メーカーとの価格競争が激化して経営不振に陥った。投資会社のいちごアセットマネジメント傘下で経営立て直しを急ぐ。24年3月期はモバイル向けの撤退を進め、10期連続の最終赤字を見込む。

現金の流出も続いている。フリーキャッシュフロー(純現金収支)は23年3月期に743億円の赤字と過去最大となり、23年4〜9月期も169億円の赤字となった。自己資本比率は前期の56%から23年9月末時点で42%まで悪化している。

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