製材業のトーセン(栃木県矢板市)は25日、同市内のシャープ栃木工場跡地の約24万平方メートルを取得したと発表した。取得額は非公表。今後、工場の一部を改修し、製材や貯蔵庫に活用するほか、製材の副産物によるバイオマス発電も計画している。跡地の半分程度は他社に貸し出す予定で、再生可能エネルギーも販売する。森林資源を中心としたエネルギーの地産地消モデルを目指す。

トーセンは取得した跡地を「デカーレ矢板」と名付け、脱炭素と地方創生の拠点に育てる構想を発表した。シャープ栃木工場は32万6000平方メートルで、1968年にカラーテレビ工場として操業。液晶テレビなどの生産を担っていたが、業績不振から2018年にテレビ製造を終了し、同工場は一部を残し売却を検討していた。






トーセンは約3万8000平方メートルの第1工場を30億円超かけて改修する。年12万立方メートルの原木を製材する予定で、同工場では製材過程で出るおがくずからペレットも生産する。稼働予定は25年春。バイオマス発電のプラントも建設し、生産したペレットでの自家発電も計画している。旧工場などが残る約10万平方メートルの土地は建物を含めて賃貸する。

トーセンはこれまで柱など建物の垂直方向を支える木材を主に生産していたが、新工場では梁(はり)など水平方向に渡す「横材」に特化する。東泉清寿社長は「横材は太い丸太が必要で国産シェアが1割だが、いまは適したスギが育っている。新工場で横材を安定供給すれば、外材からシェアを奪還できる」と話した。

※記事の出典元はツイッターで確認できます⇒コチラ