400230394液晶というのは、物質の状態のことを言います。気体、液体、個体と同列で液晶があるのですが、今でも不思議です。

水は人類を含む生物にとって極めて身近で重要であり、多くの自然現象を支配する奇妙な性質を示す液体でもあります。またキラリティという、右手と左手の関係のような鏡合わせの構造同士が異なる性質は、自然界に普遍的に存在し、生命の起源とも関わる重要な性質です。

 東北大学多元物質科学研究所の新家寛正助教、北海道大学低温科学研究所の木村勇気教授、鳥取大学工学部機械物理系学科の灘浩樹教授と東京大学大学院総合文化研究科 広域科学専攻/附属先進科学研究機構の羽馬哲也准教授を中心とする研究グループは、これまでの研究で様々な氷と水との界面にできる通常の水と混ざり合わない低密度および高密度な未知の水や、液晶らしき未知の水を発見しています。





今回、結晶構造にキラリティを持つ高圧氷IIIと水の界面に液晶らしき未知の水が現れる際に生じる波模様にキラリティがあることを発見しました。これにより、氷IIIと水の界面に現れる未知の水は、キラリティを持つ液晶である可能性を世界で初めて示しました。本成果は、水とキラリティが関わる広範な科学領域に分野を問わず貢献します。

 本成果は、物理化学分野の専門誌The Journal of Physical Chemistry Letters に 1月11日(米国太平洋標準時間)付でオンライン掲載されました。

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