news-34012-02東京工業大学 科学技術創成研究院 未来産業技術研究所の中杉茂正民間等共同研究員、石崎博基特任教授、姜聲敏特任准教授(以上、LG Japan Lab株式会社研究員兼務)、曽根正人教授、渡辺順次特任教授、Tso-Fu Mark Chang(チャン・ツォーフー)准教授、同 工学院 電気電子系の間中孝彰教授の共同研究チームは、東京工業大学LG Material & Life Solution協働研究拠点において、低温で8 μCcm-2を超える自発分極[用語1]と8,000を超える比誘電率を有する強誘電性二量体分子液晶を開発した。





強誘電性液晶[用語2]は、高い自発分極と比誘電率[用語3]を持つ特異な液晶の一種である。その中でも、二量体分子は簡便な分子構造と低温での強誘電相の形成が可能なため、応用展開に優れた材料として期待されている。
本研究では、フッ素置換されたメソゲンコアをサイドウイングとしてペンタメチレンスペーサーで連結したdi-5(3FM-C4T)という二量体分子を開発した。この二量体分子は、低温(55~211℃)で液晶を発現し、また本分子は、ネマチック相、スメクチック相および等方相の3つの極性相から成り、巨大な自発分極(8 μCcm-2)と比誘電率(8,000)を示すことが確認され、低温で強誘電性を示す二量体液晶の開発に成功した。
本研究により開発した二量体分子を用いることにより、電子機器の小型化と低消費電力を実現する「コンデンサ」や、低電圧駆動が可能な「圧電素子」と「静電アクチュエータ」、3次元映像を表示する「ホログラフィックディスプレイ」等への展開が可能となる。
これにより、自動車、産業ロボット、医療機器などの分野での新たな応用が期待される。

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