SS q01_s現地時間1月7日~10日までアメリカ・ラスベガスで開催されたCES 2024。昨年に続いて現地で取材した麻倉怜士氏が、有機ELはもちろん、マイクロLED、さらには透明ディスプレイまでを含めたサムスンとLGによる「ディスプレイ競争」の未来の行く末を占う。

――今年のCESは製品に関する話題が多かった印象です。

麻倉:ここ数年、CESでAV機器は冷遇されてきました。数年前は自動車ショーになるとも言われ、特にコロナ禍以降は、これまでのCESとはまったく違うものを展示しようという流れが強くありましたが、今年はその揺り返しがあったような印象です。





そして話題となった“モノ”も面白いものばかり。昔ほどではありませんが、やはり「“モノ”があってこそのCESだよね」という雰囲気が強く出てきました。

それでもサムスンはSDGsなど概念寄りの話が多かったですが、今年は製品の話を2つしました。ひとつはQ-NED、ミニLEDを使った8Kテレビについて。そしてもうひとつはマイクロLEDを使ったテレビと透明ディスプレイでした。

ひとつおかしいなと思ったのは、カンファレンスではQD-OLED(量子ドット有機EL)について大きく言及されなかったこと。OLED(有機EL)については、特殊なハードコーティング層と表面コーティングパターンにより、外光反射を低減する「OLEDグレアフリー」テクノロジーが発表されてはいますがね。ブースにもQD-OLEDはなかったです。

――おっしゃるとおり、QD-OLEDに関する話はあまり目立った印象はありませんでした。

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