Screenshot 2024-02-16 09.11.22GfK Japanは、全国の有力家電・IT取扱店の販売実績データなどを基にした、2023年の家電およびIT市場の販売動向を発表した。コロナ禍における巣ごもり需要や特別定額給付金の恩恵を受けた2020年は7.3兆円となったが、特需の反動もあり2021年以降の3年は微減傾向が続いており、2023年の家電小売市場は前年から1.4%減の6.9兆円となったという。

カメラ関連製品は旅行や各種イベントの再開、スマートフォンを中心とする電話関連製品は高価格帯端末の拡大や昨年末の端末割引規制強化などが寄与したことにより、前年の販売金額を上回っているが、AV関連製品とIT関連製品はいずれも販売金額を下回っている。テレビやパソコンなど主力製品の販売価格が上昇傾向にあるが、買い替え需要が伸びなかったことが影響した。






販売経路の傾向については、インターネット販売の金額規模は前年から微減、店頭販売と比較して前年からの落ち込み幅が大きく、外出制限がなくなったことで購入場所が店頭へと回帰しているとみている。家電小売市場全体におけるインターネット販売の金額構成比も20.5%となり、前年よりわずかに下回っていると説明した。

薄型テレビは、2年連続の二桁減となり前年比11%減の470万台で、薄型テレビが主流になってから最も低い市場規模となり、2016年の490万台を下回る結果になった。家電エコポイントやアナログ停波からの買い替え特需が一巡し、その反動が続いていることが原因とみている。

市場全体として需要は落ち込んでいるが、「Mini LED」を搭載した液晶テレビや有機ELテレビといった、高画質を訴求する各社のフラグシップ/ハイエンドモデルのラインナップは増加傾向にあり、昨年から販売数量が倍増している。これらのモデルは、55インチ以上の大型サイズにおいても、数量ベースで13%を占める結果となった。高価格帯の薄型テレビが伸びたことで、税抜平均価格が前年から4%上昇している。また、大型モデルの販売は、店頭とインターネット販売で数値が大きく偏ることはないという。

ビジュアル関連機器のプロジェクターの販売台数は継続的に伸びている傾向で、近々の2年間ではホームプロジェクターが増加。なかでも手軽に持ち運びが可能なポータブルタイプ、照明一体型などが成長を引っ張っている。今後は、4K/HDRなど高画質を追求したホームプロジェクターモデルが市場で伸びるかが注目ポイントになっているようだ。

BDレコーダーは、数量前年比23%減の100万台で2割を超える落ち込みとなった。2020年頃から半減している動きになっているが、これはVODサービスの普及による録画需要の逓減が背景にみられる。低価格帯の販売減少が顕著だが、税抜7万円以上の高価格帯モデルの販売は前年を上回っていることから、ライトユーザーは減っているが多チューナー/大容量モデルを求めるコアなレコーダーユーザーの買い替え需要は残っている印象だとしており、税抜平均価格も55,000円と前年から8%上昇しているとのこと。

ヘッドホン/ヘッドセットは数量前年比7%減の1,890万本。前年に続いて、コロナ禍以降のテレワーク需要で市場が伸長したことに対する反動減が主な原因だと明かす。市場の半数弱を占める有線イヤホンは16%減、市場の3割強を占める完全ワイヤレスイヤホンは4%増と市場を牽引する。完全ワイヤレスイヤホンの市場の二極化が進んでおり、エントリー価格帯の税抜5,000円未満の製品が数量前年比12%増、各社のハイエンドモデルが並ぶ税抜3万円以上のモデルが、前年の2.8倍と大幅に拡大した結果となった。

ホームオーディオ分野においては、サウンドバーなどはコロナ禍で非常に伸長したジャンルであるが、外出需要が回帰している現状では、ポータブルスピーカーなどが昨年よりも上昇傾向にあるようだ。

イメージング市場は、デジタルカメラが前年比7%増の120万台となり、13年振りに数量ベースでプラスに転じた。コンパクトカメラは数量前年比6%増、レンズ交換式カメラが9%増、レンズ交換式のミラーレス一眼は15%増で2年連続の二桁成長を遂げた。交換レンズは、前年比4%増の50万本、レンズキットのものは含まず単体モデルのみの数量となる。ミラーレス一眼用が10%増、数量ベースで86%を占め、前年から5%の伸長をみせた。平均価格も前年から7%情報の102,000円に上昇している。

そのほか、テレコム市場から携帯電話は数量前年比5%減の2,730万台、ウェアラブル端末は前年比4%減の360万本となる。IT・オフィス市場からパソコンとタブレット端末は前年比6%減の1,810万台、内訳はパソコンが前年比5%減の1,200万台、タブレット端末が前年比10%減の610万台としている。

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