oswg1053oswg495_img_jpg585192次世代型のペロブスカイト太陽電池を開発する中国スタートアップ企業の「仁爍光能(Renshine Solar)」が、シリーズAで数億元(数十億円超)を調達した。出資したのは中科先進産業基金(Zhongke Advanced Fund)、国海証券(Sealand Securities)、亨通集団(Hengtong Group)、毅達資本(Addor Capital)など複数の大手投資機関。

Renshine Solarは2021年12月に設立され、世界の太陽電池産業のリーダーとなるべくペロブスカイト太陽電池の開発と生産に注力している。創業チームは太陽光発電の分野で長年のキャリアを持つ。技術チームも開発経験が豊富で、ペロブスカイト太陽電池の変換効率の世界記録を何度も塗り替えている。

第三世代の太陽電池技術と呼ばれるペロブスカイトは、現在主流の結晶シリコン太陽電池に比べて変換効率が高く、コストも低いというメリットがある。結晶シリコン太陽電池の変換効率が理論上の限界値に近づくなか、ペロブスカイトはこれからの太陽電池技術として注目されており、太陽光発電のさらなるコスト削減という使命を担っている。





ペロブスカイト太陽電池の技術面がさらに進歩し、生産能力が拡大していけば、将来的に太陽光発電産業の主流になると期待されている。中国太陽光発電産業協会(CPIA)は、中国ではペロブスカイト太陽電池モジュールの普及率が2030年までに30%に達すると予測している。

Renshine Solarは2023年2月、世界初となる出力10メガワット(MW)オールペロブスカイト積層型太陽電池の開発ラインの運用を開始し、変換効率の世界記録を7回も塗り替えた。同社のオールペロブスカイト積層型太陽電池は、研究室内では変換効率30%以上を実現しているという。

この技術力を土台として、2023年4月には年産150MWのペロブスカイト太陽電池モジュール生産工場の建設に着工、24年1月には竣工して操業を開始した。同社の代表取締役・譚海仁氏によると、同工場は完全自社設計で、導入した設備も100%国産品だという。

同工場の生産ラインで、24年中に1.2メートル×0.6メートルのペロブスカイト太陽電池モジュールを量産する計画だ。変換効率20%に達するこのモジュールは、Renshine Solarが市場に投入する最初の製品となる。

2023年はペロブスカイト太陽電池の「産業化元年」だった。小さなサイズから大型で高効率のモジュールへ、研究室から生産ラインへ、単一接合から結晶シリコンとの積層へ、ペロブスカイト太陽電池の技術は目覚ましい進展を遂げた。変換効率は向上を続け、複数の大型モジュールの生産ラインが稼働を始めた。そして2024年、ペロブスカイト太陽電池産業は「量的変化がもたらす質的変化」の段階を迎え、飛躍的に前進することが予想される。譚氏は、1メートルクラスのペロブスカイト太陽電池モジュールの変換効率と良品率をさらに向上させるとともに、年産1ギガワット(GW)規模の生産ラインの建設計画を順次進めていきたいと語った。

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