Screenshot 2024-03-15 08.52.54ZTEジャパンは2024年3月14日、「nubia(ヌビア)」ブランドのスマートフォンを日本で展開すると発表した。
日本市場に投入されたのは「nubia Flip 5G」と「nubia Ivy(アイヴィー)」。同日の会見には下記4人が登壇し、ZTEの事業戦略を語った。

・ZTEジャパン 代表取締役社長 周涛氏
・取締役副社長 モバイルターミナル事業最高責任者 黄凱華氏
・モバイルターミナル事業部 第三営業部 取締役本部長 李明氏
・モバイルターミナル事業部 商品企画部本部 本部長 鄧鵬氏

1000万台の端末を出荷したZTE、過去に「M Z-01K」「ワンナンバーフォン」を手掛ける ZTEは、世界160か国以上で通信設備・機器を展開し、欧米ではスマホ市場シェア上位にランクインするメーカー。

nubiaは、ZTE傘下のNubia Technologyが展開するスマートフォンブランドだ。海外市場へは高性能モデルを中心に投入しており、日本で本格展開するのは今回が初めてとなる。





 黄氏によると、nubiaブランドは中国、東南アジア、ヨーロッパ、ラテンアメリカ、中東、アフリカなどで展開しており、特に撮影機能はどの地域でも好評で、「スマートフォンの中の一眼レフと称賛されてきた」とのこと。これまでにさまざまな技術を搭載した製品を投入してきたという。

 「アンダーディスプレイカメラ(UDC)という技術を搭載したスマートフォンを先日発表したばかり。MWC Barcelona 2024においても世界初の5G対応かつ裸眼3Dディスプレイを搭載したタブレットを発表した。「天体写真(星空撮影)」という撮影機能は、中国科学院国家天文台に収蔵されている」(黄氏)

 ZTEジャパンは、ZTEの日本法人として、2008年に日本で設立。「過去16間に渡って、継続的に研究開発に投資し、市場のニーズに応える製品を提供してきた」(ZTEジャパン 代表取締役社長 周涛氏)という。

 キャリアモデルでスマートフォンがそろい始めた2011年には「Libero 003Z」「シンプルスマートフォン 008Z」などをソフトバンクモバイル(現ソフトバンク)に供給。2014年に「ZTE Blade Vec 4G」、2015年にNTTレゾナント(当時)の「gooのスマホ」を供給したのもZTEだった。これを足がかかりにZTEは日本市場への本格進出を果たすことになった。

 翌2016年にはハイエンドモデルの「AXON 7」を日本市場に投入。スマートフォンでゲームをプレイする人をターゲットとしたREDMAGICシリーズを除いて、それまで日本のオープン市場に売り込んだブランドは、2017年を最後に動きが止まったままだった。

 一方で、NTTドコモとZTEが共同開発した2画面ディスプレイのAndroidスマートフォン「M Z-01K」が2018年2月9日に発売された。同年10月26日には通話に特化し、なおかつドコモ回線のスマートフォンが手元になくても、そのスマートフォンと同じ電話番号で発着信が可能な「ワンナンバーフォン ON 01」が発売された。実はこの端末もZTE製だ。

 このように、ZTEジャパンは「この16年間、日本の各キャリア向けのモデルを担当」したり、オープン市場向けにブランド端末を投入したりとあの手この手で生き抜いてきた。「2023年には日本での累計出荷台数が1000万台を超えた」(黄氏)という。

 しかし、ZTEジャパンとしては、日本でしばらくの間、ブランド戦略発表会や、新端末の発表会を開催していなかった。大きな発表の場であったドコモのM Z-01Kやワンナンバーフォンの発表会から、今回の発表会までブランクが空いているようにも思える。

 nubiaブランドの展開に際し、なぜキャリア向けの納入ではなく、オープン市場に自らの力で売り込む選択をしたのだろうか? 黄氏は「2024年、本格的に日本で展開する戦略が本社に認められた」からだと話す。

 ZTEはnubiaの他にも「Axon」というブランドも持っている。直近でいえば、ZTEが2020年、ソフトバンクに納入した「ZTE Axon 10 Pro 5G」が挙がるが、「今後はAxonブランドから徐々にnubiaブランドに集中して展開していく」(黄氏)という。

 日本展開の一環で発表された「nubia Flip 5G」「nubia Ivy」は、どちらも「ソフトバンク向けのモデルがベース」(黄氏)となっている。具体的にはnubia Flip 5Gは「Libero Flip」、nubia Ivyは「Libero 5G IV」をベースに設計されている。ハイエンドが本丸のブランドであるnubiaだが、日本では「オープン市場で売れ筋となる価格帯」の端末から攻めていくようだ。

 そのため、メーカー希望価格(税込み)は、nubia Flip 5Gが7万9800円、nubia Ivyが3万1880円と手頃な価格としている。この2モデルを選定した理由について、モバイルターミナル事業部 第三営業部 取締役本部長 李明氏は「特徴があり求めやすい価格設定ができること」と、「ZTEジャパンとしてアフターサービス、品質管理の経験を持っていること」の2点を挙げた。

nubia Flip 5Gとnubia Ivyの特徴
 nubia Flip 5Gは縦折りタイプのスマートフォン、nubia Ivyは一般的なストレートタイプのスマートフォンとなる。

 nubia Flip 5Gは、開けば6.9型(1188×2790ピクセル)の有機ELディスプレイで地図を見たり、映像コンテンツを視聴したりでき、使わないときは折りたたんで持ち運べるのが大きな特徴。1.43型サブディスプレイで自分の顔を確認しながら撮影できる他、閉じたまま通知を確認したり、着信に応答したりできる。便利機能として、通話の録音を相手に知らせる機能や、文字やアイコンを大きく表示する「シンプルモード」を備える。

 nubia Ivyは、6.6型でリフレッシュレートが90Hzのディスプレイを搭載したスマートフォン。背面はクリスタルダイヤモンドをイメージしたデザインで、指紋は目立たず手から滑りづらい。生体認証は、指紋認証と顔認証に対応し、ロックの解除だけでなく、「任意のアプリをクイック起動する際にも、指紋認証を活用」(モバイルターミナル事業部 商品企画部本部 本部長 ?鵬氏)できる。IP67等級の防塵(じん)・防水、おサイフケータイにも対応している。

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