毎年1月に米国ラスベガスで開催されるCESはディスプレーテクノロジーの発表場所としての地位を高めつつある。以前であれば毎年9月にドイツ・ベルリンで開催される世界最大級のドイツ家電見本市「IFA」でもディスプレー技術はホテルのスイートなどでそれなりに展示されていたが、今やLGディスプレイとサムスンディスプレイはIFAに展示することなくCESに全力投入するようになった。一般には公開しない両社のスイート会場は、最新と今後のディスプレー技術を世界のテレビメーカーのトップや購入担当者向けに開陳する重要な場なのである。
まずLGディスプレイのロケーションから紹介しよう。同社は毎年、CES会場内のセントラルホール2階の会議室を展示場としている。離れた場所にあるホテルのスイートと異なり、1階で各社の展示を見てから、すぐに駆け付けることができるのは、このロケーションのメリットだ。
同社のディスプレー開発は2年置きにテーマが変わる。昨年のCES 2023には、マイクロレンズアレイ(MLA)を搭載したMETA(「超越」という意味のブランド)パネルが登場した。これは大きなイノベーションであり、毎年このレベルの変革を行うのはさすがに無理だ。
そこで2024年の最新有機ELパネルは、MLA技術の第2弾として、回路の改良に力を入れた。
まずLGディスプレイのロケーションから紹介しよう。同社は毎年、CES会場内のセントラルホール2階の会議室を展示場としている。離れた場所にあるホテルのスイートと異なり、1階で各社の展示を見てから、すぐに駆け付けることができるのは、このロケーションのメリットだ。
同社のディスプレー開発は2年置きにテーマが変わる。昨年のCES 2023には、マイクロレンズアレイ(MLA)を搭載したMETA(「超越」という意味のブランド)パネルが登場した。これは大きなイノベーションであり、毎年このレベルの変革を行うのはさすがに無理だ。
そこで2024年の最新有機ELパネルは、MLA技術の第2弾として、回路の改良に力を入れた。
LGディスプレイが画質改善を始めたのが、2022年の第2世代パネルOLED.EXのときだ。EXとはEvolution(進化)とeXperience(体験)の頭文字を取ったネーミング。寿命を長期化させる重水素効果により、ピーク輝度を30%高めることに成功した。画質改善の第2弾が2023年のMLAであり、ブランドとしてMETAを与えた。
それまでの構造では、発光層から出た光の多くがパネル内部での迷光反射によって外に発出できず、高輝度化にも限界があった。そこで極小のレンズ群を有機EL発光層の上に被(かぶ)せることで、光の利用効率を格段に高めた。つまり、マイクロメートルサイズの凸レンズの層であるMLAを有機ELレイヤーの上に置くことで、光を強制的に前方に向けさせるという仕組みの開発に成功したことは本連載の記事で既報した通りである。レンズの数は極めて多い。77インチ(4K)の場合、1画素当たり5117個、合計424億個のマイクロレンズの層が形成されるという。
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