10年かけていたプロジェクトが終了。

Bloombergの報道によると、Apple(アップル)は自動車スマートウォッチのディスプレイを自社で設計・開発の終了を決定し、それに伴って600人の従業員を解雇したとのことです。この解雇は2月と3月で行なわれていたようで、スマートウォッチのディスプレイの開発に取り組んでいた87人の従業員と、Apple Carに関連していた部署の数百人が解雇されたようです。

Appleは、約10年分の研究と数十億ドルも投資していた自動車プロジェクトを2か月前に終了。それと同時にApple Watch向けの内部ディスプレイの開発も中止しています。解雇については、カリフォルニア州雇用開発局への提出書類で報告されているのが確認されています。





Apple Carプロジェクト「Project Titan」の終了によって、何百もの仕事が失われることになります。Apple Carは、2014年に最初にリークされ、およそ10年間に渡って、いろんな推測がされてきました。完全に自律的な車になると噂されてきましたが、結局プロジェクトはなかなか進まず。そしてApple Carの部門で働いていた元従業員がプロジェクトに関する秘密を盗んだとして有罪判決を受ける事件も起こっています。

スマートウォッチのディスプレイに関しては、社内で設計する取り組みの一環でした。Appleは製品のディスプレイのカスタマイズはLGやSamsung(サムスン)の設計に基づいて行なわれています。ディスプレイチームは、より薄く、よりカラフルで明るい新しいウォッチのディスプレイを作ることを目指していましたが、こちらのプロジェクトも残念ながら終了となってしまいました。

解雇されず残った従業員は生成AI部門に異動したことが報告されています。Appleは現在、人工知能プロジェクトに全集中していて、ハードウェア部門から人員リソースを引き抜いているとのことです。

Appleにとって、これはある意味では理にかなっているムーブなのかも。というのも、Google(グーグル)やAmazonなどの他の主要企業も同様にハードからAIに集中するという動きをとっているからです。

ただ、Appleはこれまでもトレンドとは逆流して、新しい技術を作り上げてきた歴史があります。たとえばVision Proはその例のひとつです。Appleは生成AIの分野で他社に追いつかなければ、完全に取り残されてしまうと考えているようです。