液晶パネル大手、友達光電(AUO)の彭双浪(ポール・ポン)董事長は24日、2022年と23年のパネル景気はひどかったが、今はテレビやAI(人工知能)搭載パソコンなどあらゆるパネル搭載製品の需要が回復しつつあり、パネル景気は健全な成長軌道に戻ると語った。
群創光電(イノラックス)の楊柱祥・総経理も同日、まず大型テレビ、次に車載用パネルの需要が高まっており、続いてモニター・ディスプレイ需要の回復の兆しがあると語った。25日付工商時報などが報じた。

AUOの彭・董事長とイノラックスの楊・総経理は24日、同日開幕したパネル業界の展示会、智慧顕示展覧会(タッチ台湾)を訪れ、報道陣のインタビューに対し、そろってパネル景気の楽観見通しを示した。





AUOの彭・董事長は、7月に開幕するパリ五輪などのスポーツ大会に向け、65インチ以上の大型テレビ需要が増加し、下半期(7~12月)はAI搭載PC需要でIT用パネル需要が高まると予測した。車載用パネル需要は安定しており、商業用、工業用パネルも回復していると語った。

 イノラックスの楊・総経理は、「(景気の春を知らせる)ツバメがやってきて、腰を下ろした」と語り、パネル景気は第1四半期(1~3月)が谷底で、回復に向かうと述べた。

 タッチ台湾は、24~26日に台北南港展覧館1館で開催する。米国、欧州、日本、中国など世界10カ国の312社がブース882小間を出展する。スマートディスプレイのほか、マイクロ発光ダイオード(マイクロLED、mLED)製造装置、半導体のパッケージング(封止)装置なども展示している。

 AUOは、マイクロLEDを搭載した世界最大の裸眼3D(3次元、立体)2層式ディスプレイや、eコックピット(スマートコックピット、スマート運転席)などを展示している。

 AUOの彭・董事長は、10年後にはマイクロLEDを搭載した車載用パネルが普及すると予測した。また、ドイツの車載用空調制御装置メーカー、ベーアヘラサーモコントロール(BHTC)買収が完了しており、今年の車載用の売上高は10%以上成長すると予想した。

 AUOの昨年の車載用売上高は431億台湾元(約2000億円)で、売上高構成比は17%だった。BHTCの売上高200億元を合わせると630億元で、売上高構成比は24%に拡大する見通しだ。

 イノラックスは、130インチのマイクロLED搭載テレビやAmLED(アダプティブミニLED)搭載の曲面ディスプレイなどを展示している。

楊・総経理は、マイクロLED搭載パネルは100インチで10万米ドルと高価格だが、今後価格が下がれば、市場で受け入れられると予測した。
イノラックスの昨年の車載用売上高は400億元で、今年は10%以上増加し、500億元を狙う。
台湾のディスプレイ産業の23年生産額は1兆1200億元で世界2位、出荷量も世界2位だった。

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