米格付け会社のS&Pグローバル・レーティングは20日、シャープの長期格付けを「Bプラス」から「Bマイナス」に2段階下げたと発表した。2024年3月期の連結決算で1499億円の最終赤字を計上する主因となったシャープの液晶パネル事業について、当面の収益回復は難しいと判断した。
シャープは24年3月期の連結最終損益の赤字額が2年続けて1000億円を上回り、経営の健全性を示す自己資本比率(3月末時点)は10%を割った。中国のパネル大手がパリ夏季五輪の商戦をみすえてテレビ向けパネルを増産し、価格競争が激化したことなどが響いた。
シャープは24年3月期の連結最終損益の赤字額が2年続けて1000億円を上回り、経営の健全性を示す自己資本比率(3月末時点)は10%を割った。中国のパネル大手がパリ夏季五輪の商戦をみすえてテレビ向けパネルを増産し、価格競争が激化したことなどが響いた。
シャープは業績悪化を受け、液晶パネル事業を縮小すると発表した。24年9月末までにテレビ向けのパネルを生産する堺市の工場の稼働を停止し、テレビ向けパネルの生産から撤退する。スマートフォンなど向けの中小型パネルについても、三重県の工場の生産能力を縮小する。
これに対しS&Pは「有機ELに対して競争力が劣る(液晶パネル)事業の収益力を抜本的に回復させるのは難しい」と評価した。液晶パネル事業の回復が遅れることで、シャープの財務基盤は今後さらに悪化する可能性が高いと分析した。
Comment
コメントする