SDP 633_lシャープの液晶パネル工場である大阪府堺市の堺ディスプレイプロダクト(SDP)が、AIデータセンターとして再スタートを切ることになる。  
このAIデータセンターには、2つの陣営が名乗りを上げている。

ひとつは、KDDIと米Super Micro Computer、データセクションによるAIデータセンター構築である。6月3日にニュースリリースで公表した。  
ここにはシャープも参加して、構築に向けた協議を開始することに合意。今後、早期の稼働を目指すという。NVIDIAの最先端AI計算基盤である「GB200 NVL72」を約1000ユニット導入するAIデータセンターとなり、これはアジアでは最大規模になるとのこと。





SDP 08_l合意内容についてKDDIなどでは、「AIが加速的に進化するなか、急増するAI処理に対応できるAIデータセンターの構築が求められているが、大規模なAI計算基盤を持つデータセンターを構築するにあたっては、最先端の演算装置の調達、設備の発熱を抑える高効率な冷却システムの整備、電力、場所の確保の3点が課題となる」とし、「これらの課題に素早く対応したAIデータセンターの構築を目指すべく、NVIDIAの最先端のAI計算基盤を構築すること、Supermicroが発熱量に対応可能なプラットフォームを提供することで協議を開始する。KDDIは、ネットワークの構築および運用をサポートし、電力の調達と場所の確保については、シャープが堺市に保有する施設や設備の活用を検討するなど、各パートナー企業のアセットを集結する」としている。

もうひとつの陣営は、ソフトバンクである。こちらは6月7日にニュースリリースを出し、SDPの土地および建物を活用した大規模なAIデータセンターの構築に向けて、シャープと基本合意書を締結したことを明らかにした。敷地面積全体の約6割にあたる約44万平方メートルの敷地と、延べ床面積約75万平方メートルの建物に、受電容量で約150MW規模のデータセンターを構築して、2025年中の本格稼働を目指すという。将来的には、受電容量を400MW超の規模にまで拡大する見込みだ。