堺市のふるさと納税の返礼品から、シャープの液晶テレビ「アクオス」が外れることになった。シャープが液晶パネルを生産する堺工場(堺市堺区)の稼働を9月末に停止するのに伴い、アクオスが地場産品と言えなくなるためだ。堺市にとって、アクオスはふるさと納税の寄付額の3割を占める人気の返礼品で、今後、寄付収入が落ち込むのは避けられそうもない。

ふるさと納税の返礼品は地場産品に限られ、工業製品の場合、地域内で「相応の付加価値」が生じる工程が行われている必要がある。堺市はアクオスの液晶パネルが堺工場で生産されていることから、2022年度に返礼品として採用した。





【ふるさと納税】シャープ SHARP【AQUOS(アクオス)DJ1シリーズ 42V型 4K液晶テレビ 4T-C42DJ1】 | テレビ 液晶 TV 4K AQUOS アクオス 42型 Android TV アンドロイドテレビ アンドロイド
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 その結果、22年度の堺市への寄付額は11億6000万円と前年度の5・5倍に急増。23年度は15億5000万円に達した。このうちアクオス目当ての寄付は22年度が3億8000万円、23年度が3億5000万円で、寄付全体の3~2割を占めた。堺市の返礼品は約600種類あり、アクオスの貢献度が際立っている。

 現在、返礼品のアクオスは42~70型の10機種で、寄付額は18万5000~203万円。堺市によると、堺工場の液晶パネルを使ったアクオスは一定の在庫があるが、なくなれば返礼品としては取り扱えなくなるという。市の担当者は「高額なアクオスは多額の寄付が見込める稼ぎ頭。なくなるのは痛手だ」と話す。

 永藤英機市長は今月14日の定例記者会見で、「市の財政は厳しい状況にあり、(アクオスが)返礼品からなくなってしまう可能性があるのは残念だ。ほかにも人気の返礼品はあり、引き続きふるさと納税の取り組みを通じて堺の魅力を発信したい」と語った。

 シャープは5月、業績悪化の原因となっていた堺工場の稼働を停止し、テレビ用の液晶パネルの生産から撤退すると発表した。跡地はデータセンターとして活用する方針を掲げている。

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