5Gネットワークの電波を自在に反射し、ビルや樹木など障害物の影に届ける「液晶メタサーフェス反射板」の実用化が近づく。開発元のジャパンディスプレイ(JDI)は電波の反射方向を無線制御できるデモ機を完成させ、COMNEXT 2024に出展。これに先立ち、開発責任者らが同技術を解説した。
デモ機は反射板を保護するレドームやスマートフォンによる操作機能を備え「製品に近い形にした」(同社R&D本部要素開発部岡真一郎部長)。携帯電話キャリアやアンテナ関連企業、スマートファクトリーなどに局所的5Gネットワークを構築するローカル5G関連企業を引き付ける。実地試験を希望する企業にはデモ機を貸し出す。
デモ機は反射板を保護するレドームやスマートフォンによる操作機能を備え「製品に近い形にした」(同社R&D本部要素開発部岡真一郎部長)。携帯電話キャリアやアンテナ関連企業、スマートファクトリーなどに局所的5Gネットワークを構築するローカル5G関連企業を引き付ける。実地試験を希望する企業にはデモ機を貸し出す。
4Gに比べ20倍の通信速度を持つ5Gだが、使用する周波数帯の一つ28ギガヘルツ帯、いわゆるミリ波は直進性が強く障害物を回り込むのが苦手。液晶メタサーフェス反射板はビルの外壁などに設置して5Gの電波を反射し、物影に届ける。
金属製と異なり反射板自体は動かずに電波の方向を容易に切り替える。昼夜の人通りの差、樹木の成長やビルの新設に対応する。
ローカル5Gでは、工場の内壁などに取り付け運用可能だ。
JDIは2021年に技術開発の成功を発表。改良を進め、前回23年のCOMNEXTに見本を展示した。
前回は反射板がむきだしだったが、今回は電気通信施設の設計施工を手掛けるコスモシステムと開発したレドームを採用。電波の損失を最小限にしつつ反射板を保護する工夫をした。専用アプリケーションを入れたスマホとBluetoothで接続し、入射角と反射角を設定すると電波の反射方向を制御する。実地試験をしたい企業に便利な作り。
試験につなげるためにも技術そのものの認知度向上が必要とみる。前回もディスプレーメーカーがなぜ通信技術の展示会に出展したかに多くの関心が集まったといい、今回は展示を充実させ理解を促進する。デモ機の仕組みを解説する映像も会場で披露。「反射板はミリ波の(ネットワーク)構築に不可欠という空気を醸成したい」(同社R&D本部要素開発部松永和己氏)と意気込む。
※記事の出典元はツイッターで確認できます⇒コチラ
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