3108556026062011I00001-PN1-93400億ウォン(約386億円)以上の価値を持つサムスンディスプレイの有機EL製造関連技術流出事件の主犯が1審で懲役6年を言い渡された。

水原(スウォン)地裁刑事第12単独のハ・サンジェ部長判事は18日、不正競争防止法違反(営業秘密国外漏洩など)の容疑で起訴されたサムスンディスプレー設備開発チームの首席研究員出身のA氏に懲役6年を言い渡した。今年3月、拘束期限満了を控えて保釈され、在宅起訴の状態で裁判を受けてきたA氏は、同日、実刑判決で法廷拘束された。






ハ判事は「被告人は被害会社が長期間にわたり大きな費用を投じて蓄積した技術を不正使用して非難を浴びる可能性が大きく、国家の先端技術を保護するためには厳しい処罰が必要だ」として「被告人の刑を猶予するほど情状酌量する事情はない」と量刑理由を明らかにした。

A氏は2018~2020年5月、中国企業に販売および提供するためにサムスンの営業秘密である有機ELディスプレイELA(Excimer Laser Annealing)設備反転光学系およびOCRインクジェット設備関連技術(有機ELディスプレイパネルと画面の外側カバーガラスを接着)を不正取得・使用した疑いで昨年10月起訴された。

ELA設備反転光学系とは、有機ELディスプレイの電子回路に放つレーザーの強度・安全性を維持する装置だ。捜査機関は、該当技術が少なくとも3400億ウォン相当の価値を持つ営業秘密に該当すると把握した。

A氏はサムスンディスプレイで10年以上勤めた有機ELディスプレイ分野の専門家で、退職後、韓国国内にディスプレイ業者B社と中国にC社を設立・運営した。またサムスンの有機ELディスプレイ技術をB社に流出した後、C社などを通じて中国企業に技術を販売・提供しようとしたことが分かった。

A氏はサムスンディスプレイに在職当時、後輩や部下職員や友達などを犯行に引き込み、営業秘密をB社に流出させ、被害会社の技術を模倣したことが明らかになった。

A氏と共謀した5人は2020年8月に起訴され、この中でサムスンディスプレイの研究員など3人は懲役1~2年を、友達など2人は懲役刑の執行猶予判決が確定された。

当時、中国に逃走したA氏は、約3年後の昨年5月、自ら入国した。検察はその直後に捜査を再開し、同年9月にA氏を拘束した。

検察側はこの日の宣告直後「この事件の犯行は被害会社が長期間にわたり多くの費用を投じて蓄積した先端技術を個人的な致富を目的に不正使用し、その非難の可能性が非常に大きく、国家的損失も大きいので重刑が言い渡された」と明らかにした。

また「検察は今後も企業の生存を威嚇し国家経済に莫大な害悪を及ぼす産業技術国外流出犯罪に厳正に対応する」と述べた。

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