最先端半導体の受託生産を目指すRapidus(ラピダス)が、生成AI(人工知能)向けで需要が急増する先端パッケージ技術の確立を急いでいる。2027年の量産開始に向け、600mm角という大型のガラス基板を支持材に使う低コストのインターポーザー(中間基板)など世界最先端の技術に挑む。同社取締役専務執行役員・3Dアセンブリ本部長の折井靖光氏に、後工程の開発戦略を聞いた。

- 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から受託し2024年4月に始動させたプロジェクトでは、600mm角のガラス基板を使う有機インターポーザーやハイブリッドボンディング(ハイブリッド接合)など挑戦的なテーマを掲げています。

 3つの世代の先端パッケージ技術の開発を並行して進める。第1世代は現在の業界標準となっている2.5次元(2.5D)実装だ。シリコン(Si)製のインターポーザーでチップレット(半導体チップ)同士を接続する。台湾積体電路製造(TSMC)の「CoWoS(コワース)」が代表例で、このタイプから試したいと考える顧客が多いと見ている。





 第2世代は600mm角のガラス基板を支持材に、有機材料ベースの再配線層(RDL)を造るRDLインターポーザーだ。配線ピッチは2μmを想定しているが、一部にブリッジ(配線を形成した小さなシリコンチップ)を使い0.4μmピッチにも対応できるようにしたい。

 RDLインターポーザーの寸法は8レチクル(約81mm角)を想定する。そこまでの寸法が必要かという反応が当初は多かったが、2024年に入り他社からも8レチクルの提案が増え、現実味を帯びてきた。

 第3世代は(ウエハーを貼り合わせてチップレット同士を接続する)ハイブリッド接合を用いた3次元(3D)積層だ。潜在顧客と話をすると、すぐにでも第3世代を提供してほしいという声も出る。

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