Screenshot 2024-07-30 09.01.28「これだけ作品に寄り添ってくれるテレビというのは、つくり手としてはありがたいですよね」

LGエレクトロニクスが2024年6月に発表した最新の有機ELテレビ、「OLED G4」シリーズの83V型の画面には、斎藤工の長編監督デビュー作『blank13』の1シーンが映っている。その画面を食い入るように見つめながら、斎藤はつぶやいた。

「OLED G4」シリーズの最大の特徴は、AIテクノロジーを駆使している点だ。テレビに搭載されているAIが映像の解像度や画質を即座に判別、正確にノイズ除去を行うことで、低解像度の映像であっても4Kの高精細な画質に変換する。また、AIの輝度向上テクノロジーによって、LG史上最高輝度も実現した。





LGエレクトロニクスのAI技術が優れている背景には、同社が11年連続で有機ELテレビの世界シェア1位を獲得していることがある。その世界中の膨大な映像データを学習してきたAIがあるからこそ、理想的な映像を表現することができるのだ。

斎藤はリモコンを操作し、制作者の意図した映像を忠実に再現する「FILMMAKER MODE™」をはじめ、「シネマ」「あざやか」などの映像モードを切り替え、画質を入念に確認する。

『blank13』という作品では、葬儀のシーンが長い。モードを切り替えることで、喪服の黒がくっきりと浮かび上がったり、背景に沈んだり、そのディテールまでもが変化する。黒を美しく表現できるのは有機ELテレビの特徴でもあるが、リモコンを操作しながら、斎藤は感心したような表情を浮かべた。

「実は、『blank13』を映画祭などで上映した時に、すべてベストな環境で上映できたわけではなかったんです。事前にチェックをしたにもかかわらず、黒く潰れてしまって、見せたい部分がしっかり伝わらないようなこともありました。我慢できなくて、上映中に輝度を上げてほしいとお願いしてしまったこともあります。監督をやってみて、改めて映像作品は出口、すなわち観客に見ていただく環境が重要だということを痛感しました。

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