2024年のヨーロッパでは、これまでのところ、化石燃料よりも風力と太陽光による発電量の方が多い。
Emberの分析によると、欧州連合における電力需要は、50%が再生可能エネルギー、27%が化石燃料によって満たされている。
電力源のシフトによってヨーロッパにおける天然ガスの需要が減少する中、アメリカで進められているLNGターミナルの建設に疑問が投げかけられている。
2024年上半期の欧州連合(EU)では、風力や太陽光による発電量が化石燃料による発電量を初めて上回った。
電力源のシフトによってヨーロッパにおける天然ガスの需要が減少する中、アメリカで進められているLNGターミナルの建設に疑問が投げかけられている。
2024年上半期の欧州連合(EU)では、風力や太陽光による発電量が化石燃料による発電量を初めて上回った。
シンクタンクEmberの分析によると、風力発電と太陽光発電がこの地域の発電量の30%を占め、過去最高を記録した。一方、石油、天然ガス、石炭を合わせた発電量は27%となり、前年同期比で17%減少した。
これはマイルストーンだと言える。というのも2年前は、ロシアがウクライナ侵攻後に天然ガスの供給量を減らしたため、ヨーロッパは競い合うようにして別の調達先から輸入していた。天然ガスの価格が急上昇する一方、電力需要は減少した。その後、需要は回復し始めたが、再生可能エネルギーによってそれが満たされるようになった。EUの一部地域では干ばつが治まると、水力発電が復活した。それに風力発電と太陽光発電を合わせた再生可能エネルギーは、2024年上半期のEUにおける電力需要の半分を満たしたことになる。
「このようなマイルストーンは、今後の方向性を明確に示している」とEmberのアナリスト、クリス・ロスロー(Chris Rosslowe)がBusiness Insiderに語っている。
「問題は、再生可能エネルギーがヨーロッパの電力システムを支配するかどうかではなく、それがいつになるのかということだ」
このような再生可能エネルギーへのシフトによって、アメリカやカナダからより多くの燃料をヨーロッパに輸出するために急ピッチで進められているLNG(液化天然ガス)ターミナルの建設に疑問が投げかけられている。Emberの調査によると、EUでは電力需要が増加しているにもかかわらず、2024年の天然ガスによる発電量は、これまでのところ前年同期比で14%減少している。ドイツ、スペイン、フランス、オランダ、ベルギーなどでは再生可能エネルギーの利用が増加したことで、暖冬も手伝って、化石燃料の利用が減少した。
Emberは別のレポートで、世界的なLNG供給量は2026年までに過剰になり、EUのガス需要は2030年までに大幅に減少すると予想している。
「ロシアがウクライナに侵攻した際、ヨーロッパでは緊急かつ短期間で天然ガスの供給源を多様化することが求められた」とEmberの欧州プログラムディレクター、サラ・ブラウン(Sarah Brown)は述べている。しかし、アメリカなどからのLNG輸出を増やそうとする動きにおいて、ヨーロッパのガス需要が急速に減少しているという現実は無視されているという。
※記事の出典元はツイッターで確認できます⇒コチラ
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