20240822_3_fig理化学研究所(理研)開拓研究本部 伊丹分子創造研究室の伊丹 健一郎 主任研究員(名古屋大学 トランスフォーマティブ生命分子研究所(WPI-ITbM)主任研究者)と東ソー株式会社 有機材料研究所の森中 裕太 主任研究員(研究当時、現同社 研究本部先端融合研究センター 先端材料研究所 主任研究員)らの共同研究グループは、ヘテロ原子や置換基を一切用いずに、有機ELの正孔輸送材料として機能する炭化水素系正孔輸送材料を発見しました。






本研究成果は、「分子ナノカーボン科学[4]」から創出された炭化水素系材料が有機電子デバイス[5]の分野において応用できることを明らかにしました。これは、ほとんど検証例がなかった有機電子デバイスと分子ナノカーボン科学の融合研究において重要な知見であるといえます。

今回、共同研究グループは、ナノカーボン類の一つである非平面の炭化水素系材料(HBT)を正孔輸送材料に用いた有機ELデバイスが、代表的なトリアリールアミン[6]類に匹敵する性能を示すことを発見しました。その性能の根拠となるHBTの特徴を、量子化学計算や、固体膜の分析により解明しました。

本研究は、科学雑誌『Angewandte Chemie International Edition』のオンライン版(8月13日付)に掲載されました。

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