富士キメラ総研は2024年8月、ディスプレイデバイスと関連部材の世界市場を調査し、2029年までの市場予測を発表した。ディスプレイデバイスの市場規模は、2023年の15兆6126億円に対し、2029年は18兆4974億円に達する見通しである。こうした中で今後は、IT機器向けや車載モニターに向けた「AMOLED」が市場規模を拡大するとみている。
今回の調査は、「a-Si TFT LCD」や「AMOLED」「マイクロLEDディスプレイ」といったディスプレイデバイス12品目および、「ガラス基板」「フレキシブルガラス」「配向膜材料」などの関連部材25品目を対象とした。調査期間は2024年4~7月。
ディスプレイデバイスの出荷数量は2023年に減少した。TVやPCモニター、ノートPCなど応用機器の市場低迷によるものである。ただ、金額ベースでみるとTVパネル大型化などにより、2022年比0.4%増となった。
2024年も応用市場の回復力は総じて弱いが、PCモニター向けの需要回復やTV向けパネルの大型化が追い風となる。この結果、17兆5144億円を見込んでいる。タイプ別にみると、a-Si TFT LCDを中心とする「TFT LCD」が11兆7049億円となった。今後の伸びが期待される「AMOLED」は、5兆5495億円を見込む。「マイクロディスプレイ」はAR/VR機器への採用が進み2600億円となる。「マイクロLEDディスプレイ」市場が本格的に立ち上がるのは、2025年以降とみている。
なお、2029年の市場規模については、TFT LCDが10兆7935億円となる。ただ、2024年に比べると市場は減少する。これに対し、AMOLEDは大きく伸びて6兆9893億円を見込む。同様にマイクロディスプレイも、AR/VR機器への採用が増えることから、6051億円と予測した。
ディスプレイ関連部材の世界市場は、2024年に4兆4887億円を見込む。応用機器の需要回復は低調ながら、PCモニター市場の回復やTVパネルの大型化などによって、関連部材の需要は拡大。2023年に比べ9.3%の増加となる。今後は、OLED関連部材の伸びが期待され、2029年の市場規模は4兆8727億円と予測した。
富士キメラ総研は、今回の調査結果に基づき、今後の注目市場として「車載ディスプレイ」と「AR/VR向けマイクロディスプレイ」を挙げた。車載ディスプレイの市場規模は、2024年見込みの1兆3777億円に対し、2029年は1兆7091億円と予測した。車載用CID(センターインフォメーションディスプレイ)向けなどで、LTPS TFT LCDやOxide TFT LCDの動きに注目している。
AR/VR向けマイクロディスプレイの市場規模は、2024年見込みの487億円に対し、2029年は4273億円と予測した。スマートグラス向けなどが需要をけん引する。
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