世界で最も薄いブックスタイルの折りたたみスマートフォンを開発するという栄耀(Honor)の野望は、構想から実現までに約2年を要した。テクノロジー業界のようにめまぐるしく変化する世界では、2年という時間は永遠のように思えるかもしれない。
しかし、Honorによると、同社の第4世代折りたたみスマートフォンである超薄型の「HONOR Magic V3」を開発するのに長い時間がかかったのには、相応の理由があるという。Honorは、開発を公式に開始する前から、「特定の部品」や新素材の研究開発に投資しており、その成果を折りたたみスマートフォンプロジェクトに正式に導入しているそうだ。参考までに、Honorの通常のスマートフォンの開発期間は多くの場合、12~18カ月である。通常よりも長い時間をかけた結果、本体を閉じた状態だと通常のスマートフォンと驚くほど似ているブックスタイルの折りたたみスマートフォンが完成した。
折りたたみスマートフォンの競争に勝利することは、Honorにとって重要な目標だ。調査会社International Data Corporation(IDC)によると、世界の折りたたみスマートフォン市場の出荷台数は、2023年に1810万台を記録し、2024年末までに前年比37.6%増の2500万台に達する見通しだという。さらに、2028年までに、折りたたみスマートフォンの世界出荷台数は4570万台まで増加し、2023年~2028年の年平均成長率は20.3%になるとみられている。
大手スマートフォンメーカーのサムスンと小米科技(シャオミ)は毎年、大幅に改良された折りたたみスマートフォンを大量に作り出しており、Honorには、多くのライバルがいる。2024年現在、主要なスマートフォンメーカーのほぼすべてが、ブックスタイルの折りたたみスマートフォンとクラムシェル型の折りたたみスマートフォンのいずれか、または両方を発売している。
サムスンは7月、本体の幅を1mm以上スリム化した「Galaxy Z Fold6」を発売した。8月に入って、Googleもブックスタイルの前モデルよりコンパクトな「Pixel 9 Pro Fold」を発表した。出荷台数で世界第3位のスマートフォンメーカーであるシャオミは、Magic V3と同じ軽さで、ほぼ同じ薄さの「Xiaomi MIX Fold 4」を発表し、Honorにかなり迫ってきている。新興テクノロジーをしばらく静観することで知られるAppleも、2026年にクラムシェル型の「iPhone」を発表するとうわさされている。
中国の巨大テクノロジー企業である華為技術(ファーウェイ)の子会社だったHonorが、そのミッションを達成するためには、折りたたみスマートフォンを可能な限りスリム化することが不可欠だと考えていることは、明白である。
折りたたみスマートフォンを開発する取り組みを支えているのは、「より頑丈に、よりスリムに」というデザインのモットーだ、とHonorは話している。そして、Magic V3はその約束を果たしているようで、折りたたんだときの厚さはわずか9.2mmと、Galaxy Z Fold6や発表されたばかりのGoogle Pixel 9 Pro Foldだけでなく、Xiaomi MIX Fold 4よりも薄い。
HonorのMagic V3担当プロダクトエキスパートのHope Cao氏は、9月に予定されているMagic V3のグローバル版発表に先立って行われた米CNETとの独占インタビューで、「最近の折りたたみスマートフォンは非常に薄いので、1mm薄くするだけでも大変な作業だ」と語った。Cao氏はプロダクトエキスパートとして、Magic V3の製品開発を最初から最後まで指揮している。
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