住友化学は5日、透明なディスプレーを実用化したと発表した。画面に文字や画像を表示しながら背景を透過して見ることができる。タッチセンサーなどで培った微細加工の技術を生かすことで実現した。屋外広告などの利用を見込み、まずは韓国で販売を始める。2020年代後半に数十億円規模の売上高を目指す。
住友化学の韓国子会社、東友ファインケムが開発した。同社はディスプレー材料を手がける。ガラス基板に発光ダイオード(LED)を組み合わせ、背景が透けたまま、画面に文字や映像などを表示できる。
ガラス基板のため、耐久度が高いのが特徴だ。大型の屋外広告や建物の外壁などでの利用を見込む。電気自動車(EV)のバスの車窓での採用も決まっている。今後数年で開発や製造設備を整えるため、数十億円程度の投資をする。
韓国で販売を始めるが、日本も含めたグローバルでの展開を見込む。製品販売にとどまらず、ディスプレーへの広告掲載で収益を得るビジネスモデルの構築も検討している。
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